トヨタ 新型ハリアー ターボ試乗レポート|ターボとハイブリッド、どっちが買い!?(2017年マイナーチェンジモデル)(2/2)

トヨタ 新型ハリアー ターボ試乗レポート|ターボとハイブリッド、どっちが買い!?(2017年マイナーチェンジモデル)
トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ) 画像ギャラリーはこちら

緊急自動ブレーキ"トヨタセーフティセンスP"を全車に標準装着

トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ)
トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ)トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ)

新型ハリアーはデザインも変更した。樹脂製フロントグリルの模様は、従来は縦縞だったが新型では格子状に変わっている。内装もターボではシフトレバーの周辺やドアのスイッチ部分にメタルカーボンの装飾が使われ、見栄えを改善させた。

安全装備はToyota Safety Sense P(トヨタセーフティセンスP)を全車に標準装着する。緊急自動ブレーキは歩行者も検知して、高速域でも作動する(歩行者に対しては時速80キロ)。車線逸脱の警報と、修正操舵をしやすいようにパワーステアリングを支援する機能も備わる。スイッチを入れると、ドライバーがペダル操作をしなくても先行車を追従して走る、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールも採用した。

ハリアーは上級SUVだから、ゆったりと快適な運転感覚を求めるユーザーも多いと思う。そこが好みなら乗り心地が比較的柔軟なハイブリッドを推奨したい。機敏に走りたいならターボだ。

この違いはトヨタクラウンのロイヤルサルーンとアスリートに似ている。新型ハリアーは全グレードですべてのエンジンを選べるが、運転感覚は異なり2つの個性を用意した。

新型ハリアーのターボと自然吸気エンジン搭載車の価格は、パフォーマンスダンパーなど装備の違いを補正した正味の金額が約21万円だ。動力性能には1500cc並みの違いがあり、排気量の相場は100cc当たり2万円だから30万円に相当する。性能の向上を考えればターボは割高ではない。

最新エンジン搭載のハリアーターボだが実燃費はあまり良くない

トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ)
トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ)トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ)

ただし、ハリアーターボは燃費がいまひとつだ。

使用燃料がプレミアムガソリンで、なおかつ4WDのJC08モード燃費は12.8km/Lになる。後輪をモーターで駆動する4WDを備えたハイブリッドは21.4km/Lだから、燃料代はターボの56%に収まる。

そうなるとハイブリッドの価格は、装備差を補正するとターボよりも実質42万円高いが、7~8万kmを走れば燃料代の差額で取り戻せてしまう。1年間に1.5万km以上を走れば5年前後だから、損得勘定でハイブリッドを選ぶ余地は十分にある。

したがって、上質な内外装などプレミアム感覚の強いハリアーに相応しいパワーユニットは、猛々しい印象が伴うターボよりもハイブリッドだろう。

表現を変えると、ハリアーターボには燃費を向上させて出力特性も改善する余地がある。BMW X3 xDrive 20i xLine(184ps/270Nm)、メルセデス・ベンツ GLC250 4MATIC Sports(211ps/350Nm)の2リッターガソリンターボを搭載した4WDのJC08モード燃費は、両車ともに13.4km/Lだ。対するハリアーターボ(231ps/350Nm)が12.8km/Lというのは、JC08モード燃費が日本の基準であることを考えると情けない。

結論:渡辺陽一郎はハリアーターボよりも”ハリアーハイブリッド”を強く推す

トヨタ 新型ハリアー 2リッターターボ搭載車(2017年6月マイナーチェンジ)

「2リッターガソリンターボは今後の洗練に期待」と結論付けたいが、今やトヨタのウリはハイブリッドだ。時代の流れも考えれば、価格が300万円を超える上級車種は、カムリのように全車をハイブリッドに統一する方法もあると思う。仮にそうなれば量産効果が期待され、ハイブリッドの価格引き下げも可能になるだろう。欧州車を含めた他メーカーとは違う特徴も打ち出せる。

最近は燃費規制もあって欧州車も充電可能なハイブリッドに力を入れているから、今こそトヨタには老舗の底力を見せて欲しい。トヨタ車の感動は多彩なエンジンラインナップではなく、ハイブリッドにあると思う。ハリアーの2リッターターボを試乗して「トヨタはやっぱりハイブリッドのメーカーだ」と実感した。

[レポート:渡辺陽一郎/Photo:島村栄二]

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トヨタ 新型ハリアー PROGRESS[4WD] スペック(主要諸元)

全長×全幅×全高:4,725×1,835×1,690(mm)/ホイールベース:2,660mm/乗車定員:5名/駆動方式:四輪駆動(4WD)/車両重量:1,730kg/エンジン種類:8AR-FTS型 直列4気筒 DOHC インタークーラー付ターボチャージャー ガソリン直噴エンジン/総排気量:1,998cc/最高出力:231ps(170kW)/5,200-5,600rpm/最大トルク:35.7kgf-m(350Nm)/1,650-4,000rpm/トランスミッション:スーパーインテリジェント6速オートマチックトランスミッション(6 Super ECT)/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン/燃料消費率:12.8km/L[JC08モード燃費]/サスペンション形式:(前)ストラット式 (後)ダブルウィッシュボーン式/タイヤサイズ:235/55R18/メーカー希望小売価格:4,244,400円(消費税込)

【動画】ハリアーH.T.「野性」篇(Web限定120秒ver.)[toyotajpchannel]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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