トヨタの定番人気車種「エスティマ」がマイナーチェンジ!フロントマスクは今時の“トヨタ顔”に【新型車解説】(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
これまでの3.5リッターエンジンは廃止
エンジンは直列4気筒の2.4リッターと、2.4リッターをベースにしたハイブリッドのみとなった。以前のV型6気筒の3.5リッターは、販売比率が低かったために廃止している。
動力性能は変わらず、2.4リッターのノーマルエンジンは最高出力が170馬力(6000回転)、最大トルクが22.8kg-m(4000回転)。ハイブリッドはシステム最高出力が190馬力で、後輪をモーターで駆動する4WDのみだ。
JC08モード燃費はノーマルエンジンが11.2~11.6km/L、ハイブリッドは18km/L(サイドリフトアップシート車は17km/L)とされ、以前とほぼ同じ数値になる。
つまりエンジンの変更は3.5リッターの廃止だけで、燃費などの改善は受けていない。ノーマルエンジンには今でもアイドリングストップが装着されない。
走りと快適性をバランス良く高められるフロントパフォーマンスダンパーを装着
走行安定性と乗り心地には手を加えた。スプリングなどの設定を変更して、上級グレードはフロントパフォーマンスダンパーを装着する。
パフォーマンスダンパーとは、足まわりに使われるダンパー(ショックアブソーバー)と同様の形状で、ボディの捩れや歪みを効果的に抑える。ボディを単純に補強するのと違って、変形させるエネルギーをダンパーの効果で吸収できることが特徴だ。走りと快適性をバランス良く高められる。
ちなみにエスティマは2013年5月に特別仕様車のプレミアムエディションを設定しており、フロントパフォーマンスダンパーが特別装備として装着されていた。
このほかリアコンビネーションランプには、エアロスタビライジングフィンと呼ばれる突起が設けられた。走行中の空気の流れを整え、ボディを左右方向から押さえることで走行安定性を向上させる。
安全装備では、Toyota Safety Sense Cを標準装備
装備では緊急自動ブレーキを刷新した。
従来はミリ波レーダーを使ったプリクラッシュセーフティシステムとカメラ方式のレーンキーピングアシストをオプション設定したが、設計が古くなっていた。装着できるグレードも当時の最上級のハイブリッドGと3.5リッターのGのみで、オプション価格は33万8040円と高かった。
マイナーチェンジではToyota Safety Sense C(トヨタセーフティセンスC)に改め、すべてのグレードに標準装着している。センサーには赤外線レーザーと単眼カメラを採用。前方の車両に衝突する危険が迫った時は、時速140kmを上限に警報を発する。緊急自動ブレーキは時速80km以下で作動する仕組みだ。
カメラを備えるから、車線逸脱の警報を行ったり、ハイ/ロービームを自動的に切り替える機能も備わる。
ただし歩行者の検知はできず、緊急自動ブレーキは高速域では作動しない。
もともとToyota Safety Sense Cは、「アクア」や「ヴィッツ」といったコンパクトカーに搭載することを前提に開発された。トヨタもシステムの発表時点で「主にコンパクトカー向け」と表現した。
だとすれば、エスティマは大柄なミニバンで価格も高いから、「ミディアム・上級車向け」とされるToyota Safety Sense P(トヨタセーフティセンスP)を搭載すべきだろう。
このシステムはプリウスなどに採用され、センサーにはミリ波レーダーと単眼カメラを使う。歩行者の検知も可能で、緊急自動ブレーキが作動する速度域も高い。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも備わる。
エスティマでは高速道路を頻繁に通行するユーザーも多く、Toyota Safety Sense Pとの相性が良い。またToyota Safety Sense Cは、歩行者や自転車を巻き込んだ交通事故が多い日本では、安全性能に不満が伴う。
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