トヨタ クラウンマジェスタ 試乗レポート/今井優杏(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志/オートックワン編集部
日本人が、日本の偉い人のために作った、日本らしいたおやかなセダン
というわけで、最新のマジェスタは久方ぶりに『クラウン』の名を冠したクラウンファミリーのグレード名としてカムバックしたのだが、きっちりマジェスタ品質は踏襲していて、日本人が、日本の偉い人のために作った、日本らしいたおやかなセダンに仕上がっている。
その日本的『おもてなしマインド』は、マジェスタからV8エンジンと専用設計ボディを取り上げ、2段変速式リダクション機構付き・THSⅡハイブリッドシステムを持つ3.5リッターV6エンジンと、同クラウンシリーズのロイヤルやアスリートを75mmストレッチしたボディを与えた。
そう、燃費を含む環境性能と、そして周囲からの視線に優しいハイブリッドモデルのみの展開である(日本の偉い人は周囲の目が気になるものと決まっているでしょ!)。
とはいえこのダウンサイジングされたV6×ハイブリッドにパワー不足の感は微塵もないので安心して欲しい。
コンフォート?おせっかい?
今回の試乗コースは都内から軽井沢に向かうというロングドライブだったのだが、高速での安定性はストレッチをされている分文句はない。
高速道路を降りてからの山道も不思議なくらいキャビンがフラットで、同乗者との会話を楽しみながら、鼻歌交じりでコーナーを飛び越えてゆけるほどだ。
そう、こうなると人間は贅沢なもので、気になる部分はあまりに人工的な、電子制御によるこの異常なまでのフラットさ。
特にトヨタのハイブリッドモデルは、モーターの特性をただ単に燃費のため、モーター走行のためだけでなく、色んなところに活用しているのだが、そのうちのひとつがバネ上制震制御だ。これは「プリウスα」以降すべてのトヨタ及びレクサスのハイブリッドカーに採用されている制御と言ってもいい。
車両のピッチング挙動、特にブレーキや路面の凸凹で鼻先が浮いたり沈んだりするような動きはとかく乗員に不快感を与えるが、例えば鼻先が浮こうとするときには敢えてトルクを強めてリフトを人工的に沈め、逆の鼻先が沈もうとするときにはトルクを弱めて沈み込みをフラットにするという制御だ。
モーターはその特性上反応がはやく、瞬時にこの制御を行えるためにハイブリッドならではの技術として応用されている(車両の浮き沈みに反対方向のトルクをかけるという制御自体インジェクションでも技術的には可能なのだが、やはり反応速度にかなりのラグがあるようで、実用には向かない)。
加えてVDIM(アクティブステアリング統合制御付き)でエンジン、ブレーキ、ステアリングなどの機能を統合制御しており、さらにギア可変ステアリングVGRSと電動ステアリングも手伝ってハンドルの切り角も少なく、どんなにコーナリングがへたっぴいでもどんどこどんどこ勝手に鼻先がコーナーの内へ入ってくれてしまう。
ラクだ。ラクすぎる。しかも意図的に「クラウンハイブリッド」よりもその制御がコンフォート……と表現していいのか分からないが、まあバッサリ言うならさらにおせっかい方向に、大袈裟に介入してくるように感じた。
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