デビュー4年目、なぜ今ごろ「ハイブリッド」追加なのか/トヨタ オーリスハイブリッド 試乗レポート(5/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
120Tに「RS」ルックのスポーティ仕様が追加
ハイブリッドと併せて新たに追加された「オーリス 120T ”RSパッケージ”」にも触れておこう。
RSパッケージは、1.2リッターターボを搭載する「120T」をベースに、内外装を1.8リッターのスポーティグレード「RS」と同様に仕上げた。
エアロパーツなどが備わり、タイヤとアルミホイールは、以前から120TとRSにオプション設定されていた17インチ(225/45R17)になる。
従って運転感覚も従来型と同じだが、120Tは幅広い回転域で十分な駆動力を発揮するから扱いやすい。17インチタイヤの装着と相まって操舵感は相応にスポーティーだ。乗り心地は少し硬い。
1.2ターボは本来実用エンジン、ならば1.5リッターモデルの価格帯で廉価に売るべき
ただし1.2リッターのターボは実用指向のエンジンだから、RSパッケージは副次的な仕様になる。
本来であれば買い得な「150X」が搭載する1.5リッターのノーマルエンジンを、価格をほとんど変えずに1.2リッターターボに変更すべきだ。現状でもオーリスの1.5リッターエンジン搭載車は価格が高めだから、1.2リッターターボに置き換えてちょうどバランスが取れる。
冒頭で開発者の「Cセグメントに属するオーリスは販売面で苦戦している。VW ゴルフなどに差を付けられている」というコメントを紹介したが、オーリスはまずエンジンから差を付けられているわけだ。ゴルフは価格をほとんど高めずに、廉価なベースグレードを含め、幅広いグレードに小排気量ターボを揃えた経緯がある。
緊急自動ブレーキも同様だ。ゴルフはミリ波レーダーとカメラを組み合わせて高い速度域でも作動させ、全車速追従型のクルーズコントロールも備える。となればオーリスも、安全装備を「Toyota Safety Sense P」にグレードアップさせたいところだ。
オーリスをさらに拡販させるためには、まだまだやるべきことがある
以上のように、今回のバリエーション追加だけで新型「オーリス」の販売をテコ入れするのは難しいと思う。
十分な基礎体力は備えているのだから、エンジン、安全装備、内外装のデザイン、価格などを幅広く見直し、商品力をより総合的に向上させ、強敵「VW ゴルフ」と販売合戦を繰り広げて欲しい。
[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正]
トヨタ オーリスハイブリッド「AURIS HYBRID ”G Package”」主要諸元
全長x全幅x全高:4330x1760x1480mm/ホイールベース:2600mm/車両重量:1400kg/乗車定員:5名/駆動方式:前輪駆動(FF)/エンジン種類:「2ZR-FXE」直列4気筒 DOHC 16V アトキンソンサイクル ガソリンエンジン(ハイブリッドシステム)/エンジン総排気量:1797cc/エンジン最高出力:99ps(73kW)/5200rpm/エンジン最大トルク:14.5kgf-m(142N・m)/4000rpm/使用燃料:無鉛レギュラーガソリン/動力用主電池:ニッケル水素電池(6.5Ah)/モーター種類:交流同期電動機(永久磁石式同期型モーター)/モーター最高出力:82ps(60kW)/最大トルク:21.1kgf-m(207N・m)/トランスミッション:電気式無段変速機/システム最高出力:136ps(100kW)[社内算定値]/燃料消費率:30.4km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:225/45R17/メーカー希望小売価格:2,832,545円[消費税込]
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