アクアの人気は新型プリウスの登場で“失速”してしまうのか(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
新型プリウス vs アクア比較/走行性能
次は走行性能を考えたい。
ハイブリッドシステムは、新型プリウスが1.8リッターエンジンをベースにしたハイブリッド、アクアは1.5リッターがベースになる。エンジンとモーターの動力性能を合計したシステム最高出力は、新型プリウスが122馬力前後、アクアは100馬力だ。この関係は従来型と大差ない。
ハイブリッドの動力性能は新型プリウスの方が高いが、車両重量も前輪駆動の2WDで1,360kgに達する。アクアは1,080kgだから280kg軽く、加速性能にはあまり差が付かない。実際、アクアの走りも活発だ。
走行安定性は、新型プリウスがかなり向上しそう。プラットフォームを刷新して、リアサスペンションもトーションビームの車軸式からダブルウイッシュボーンの独立式に進化させたからだ。
従来型は後輪の接地性が高い代わりに峠道などでは少し曲がりにくく、操舵感も曖昧だったが、新型では大幅に改善されそうだ。いわゆるハンドリングの欠点は、プリウスの開発者も気にしていたので、テコ入れが図られる。
その点でアクアは、以前から操舵感がスポーティであった。
足まわりの形状はフロント側がストラットの独立式、リア側はトーションビームの車軸式とオーソドックスだが、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2,550mmで、全長が4mを下まわる割に長く設定している。
全長に占めるホイールベースの比率は、新型プリウスが59%、アクアは64%だ。加えてアクアは全高が1,455mmと低くボディは軽い。だから新型プリウスが走行安定性と操舵感を向上させても、一概にアクアが見劣りする結果にはならないと思う。
しかし乗り心地は新型プリウスが優位になりそう。
アクアは2014年12月のマイナーチェンジでスポット溶接の箇所を増やし、サスペンションのセッティングも変更。発売当初に感じた乗り心地の粗さを抑えたが、新型プリウスはプラットフォームとサスペンションを根本的に見直す。新型プリウスの注目点は乗り心地になる。
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