トヨタ 新型 アルファード / ヴェルファイア 新型車解説(3/3)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
燃費と静粛性を高めたHVが復活
今回マイナーチェンジの注目点はハイブリッド車の追加だ。これまで3年間、アルファード/ヴェルファイアのラインナップからハイブリッド車がなくなってい たが、改めて設定されることになった。
ハイブリッドシステムの基本は、従来のもの、あるいはエスティマハイブリッド に採用されるものと変わらない。直列4気筒2.4Lエンジンにリダクション機構を持つTHS-Ⅱが組み合わされている。
エンジンはカムリハイブリッドに搭載した新開発の2.5Lではなく従来からの2.4L。電池もプリウスαで採用したリチウムイオン電池ではなく従来からのニッケル水素電池。2.5Lエンジンとの組み合わせなら燃費面でさらに有利になったはずだし、 リチウムイオン電池にすればスペース的に有利になっただろうが、今回のアルファード/ヴェルファイアには適用されなかった。
プリウスやカムリなどのセダン系ハイブリッド車と異なるのは、後輪用のモータ ーを持つ4WD車であることで、これもかつて設定されていたハイブリッド車と同じである。ハイブリッド車は振動や騒音を抑制して優れた静粛性を確保すると同時に、10・15モードで19.0km/L、JC08モードで17.0km/Lの低燃費を実現している。
これは「平成22年度燃費基準+25%」「2015年度燃費基準」を達成すると同時に、「平成17年度基準排出ガス75%低減レベル」を達成しており、今年度中に実施されてい るエコカー減税の75%低減に適合している。
車両重量が2tを超える重量級のミニバンでありながら、コンパクトカー並みの低燃費を実現しているのは驚異的といえる。 ハイブリッド車はベースグレードでも400万円に近い価格となり、上級グレードでは500万円台後半にまで達するため、たくさん売れるクルマにはなりにくいが、かつてのアルファードハイブリッドも人気を集めていたので、今回のモデルもそれなりの売れ行きを確保しそうだ。
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