走りの純度を高め、より“懐が深い”乗り味へ/トヨタ 86[後期モデル] 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:和田清志
NAチューンの王道
2つ目はMTモデルのパワートレインの出力アップだ。
吸排気系の効率アップ、内部のフリクション低減、ブロックの剛性アップなど“NAチューンの王道”により、最高出力は200psから207ps、最大トルクは205Nmから212Nmにアップ。このエンジンを活かすためにファイナルギアは4.1から4.3に変更。JC08モード燃費は若干悪化してしまったが、実燃費ではほぼ変わらないそうだ。
空力操安を高いレベルに引き上げた
3つ目はエクステリアの変更だ。
エクステリアは、従来モデルよりワイド&ローが強調されたデザインのフロントバンパーにウインカー内蔵のフルLEDヘッドライト、86エンブレムに代わりフィンが追加されたフェンダーガーニッシュ、LEDリアコンビランプ、リアバンパー、新デザインのリアウイング、アルミホイール(17インチ)などを変更。
これらは単に“意匠の変更”ではなく、全て機能部品であると言う点だ。86の空力操安はダウンフォースで抑え込むのではなく、空気を整流させることで操安に役立てているのだが、後期ではそのバランスがより高いレベルに引き上げられている。特に新形状のリアウイングは、あり/なしで走りが大きく変わると言う逸品だそうだ。さらに今回は新たに“電子”の力を用いて車両側面を流れる空気を整えるアイテムも投入されている。
2ドアクーペとしての「質感」や「大人っぽさ」がアップ
4つ目はインテリアの変更だ。
「86GRMN」の知見を活かして開発されたステアリングホイール(φ365からφ362、回転慣性重量は10%低減)や4.2インチのインフォーメションディスプレイ内蔵のメーターなどドライビング環境を整える機能性アップだけでなく、グランクリュス(インストパネル/GTリミテッドのメーターバイザー/ドアトリム)、カーボン調加飾(ドアスイッチベース/エアコンパネル)、表皮巻(GTのメーターバイザー、ニーパッド)、カラ―コーディネイトの統一も合わせ、2ドアクーペとしての「質感」や「大人っぽさ」も引き上げられているのは嬉しいポイントだ。
この記事にコメントする