テスラで往く”オトナの遠足”|世界最先端のロボット工場へ潜入(2/3)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:オートックワン編集部 取材協力:FANUC
■知る人ぞ知る世界企業が富士山の麓に存在する
山梨県忍野村にあるファナック株式会社は、51万坪の敷地の中に数え切れないほどの工場と研究所を持ち、世界45カ国に合計257の拠点も持つ、巨大な企業だった。そのわりに名前が知られていないのは、同社の業務が一般に向けたものではなく、製造の現場に向けたものだからだろう。
元は富士通の一部門としてNC(Numerical Control/数値制御)装置やサーボモーターなどの研究から製造までを担い、1972年に富士通から分離するかたちでファナックは設立された。現在ではCNC(Computerized Numerical Control/コンピューター数値制御)装置、各種サーボモーター、レーザー発振器などのファクトリーオートメーション、産業用ロボット、ロボット技術を用いた切削・射出成形・超精密加工などのロボマシンを主軸とした世界的なメーカーとして、産業界では知らぬ者のない存在だ。
世界の自動車メーカーの多くが工場でファナックのロボットを活用しており、もちろんテスラも例外ではない。その縁で今回の“オトナの遠足”が可能になったようだ。
■奥深く楽しい、産業用ロボットの世界
僕達は主として自動車製造に関わるロボットを見せていただいた。同社の取締役でありロボット事業本部長でもある稲葉清典さんの解説とともに見学することのできた産業用ロボットは物凄く多岐にわたっていて、こんな作業までロボットがまかなえるのか!と唖然とさせられたほど。それこそ車体を持ち上げて向きや角度を変える巨大なロボットから、ボディの形状に沿って塗料を吹き付けていくロボットから、パーツの形状に合わせてシーリングをしていくロボットから、小さなパーツを切削加工するロボットから、と多種多様。パーツを選別して加工機へと運び、加工が済んだパーツを別の加工機へと運び、加工済みのものを一箇所へ集める、全てがロボットによる作業で完結するラインもある。
1機のロボットが車体の構成部品を持ち上げ、回転させ、さらに回転させ、それにもう1機のロボットが絶妙のタイミングでバチバチとスポット溶接を行っていく、なんて組み合わせもあった。しかもそれらは人工知能による学習機能を備えており、ただでさえ人の手とは較べものにならないほど短時間で作業を終えてしまうというのに、さらに10%ほどの高速化が見込めるのだという。つまり10%も生産性を向上させることができる、ということだ。
■人とロボットとの共同作業
もうひとつ驚かされたのは、それらのロボットは人の立ち入らない専用エリアで稼働させないと危険が伴うわけだが、人と同じエリアで協力し合いながら作業を進められるロボットまで開発されていたことだ。作動している状態でロボットもしくはロボットが持っているものに人が触れると動きを停め、人の手で引き寄せたり向きを変えたりすることが軽々とできるため、安全な状態で共同作業ができるのだ。
何台ものロボットをネットワークで繋いでファミリーのようなかたちを形成したり、深層学習によってロボット自身が自分の異常を感じとったり、ロボットがまた別のロボットを製造していたり、とまだまだ面白い話はたくさんあるのだけど、いずれにしてもそれらは──もしかしたら僕が知らなかっただけなのかも知れないけど──ちょっと昔の時代には想像するしかなかった領域の話だったのだ。そして稲葉取締役のお話をうかがっていると、この分野がまだまだ進化していく余地はたくさんあって、それも目まぐるしいスピードで推移していきそうな感じを受ける。時代はどんどん進むのだ。
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