スバル 新型 レガシィB4 2.0GT DIT 試乗レポート/藤島知子(2/3)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
第三世代の水平対向「ボクサー」エンジンの進化ポイント
今回、私が試乗したのは、最上級グレードの『スバル レガシィ B4 2.0 GT DIT』。このモデルには、燃費とパフォーマンスを両立させるダウンサイジング思想を採り入れた第3世代の2リッター 水平対向 4気筒DOHC「FA20」型エンジンが搭載されている。
FA20型エンジンといえば、スポーツモデルのBRZに搭載されていることでもお馴染みのエンジン。ただし、BRZがトヨタ製の直噴システムが組み合わされているのに対し、レガシィの2.0 GT DITはスバル製のシステムだという違いがある。
エンジンの開発担当者によれば、BRZは空気を沢山採り入れながら1リッター=1馬力を発生する燃焼コンセプトで、スポーツカーらしい勇ましいサウンドを発生するのに対し、レガシィのユニットはFBエンジンのコンセプトが踏襲されたもの。レガシィのキャラクターに相応しい快適性とゆとりが与えられているそうだ。
大パワー300馬力を意識させないスムーズな加速力
従来の2.5リッターターボエンジンからすれば、排気量こそ500cc少ないが、パフォーマンスの面では+15馬力となる300馬力・400Nmを発生。それでいて燃費はJC08モードで12.4km/L。従来の2.5Lターボ比で20%もアップしている。直噴やターボの採用で、少ない燃料を効果的に燃焼させることでパワーを引き出す新世代のボクサーエンジンは、熟成を続けたエンジンだけでは補いきれない環境性能をしっかりと両立させていることが分かる。
いざ走り出してみると、300馬力という大パワーのクルマに乗っていることを忘れさせてしまうほど、スムーズな発進加速を促してくれることに驚く。レスポンスよく自然に走っていけることから、大きく重たいクルマをドライブしているという感覚はない。
2リッターエンジンはツインスクロールターボとの相性も抜群で、交通量の多い街中は周囲のクルマの流れに合わせて走るときに車速が合わせやすく、シビアなアクセルワークを要求される気むずかしさもない。もちろん高速道路の追い越し時など、踏み込めばゆとりの加速性能を発揮してみせる。高速クルージングもイージーに決まり、最上級モデルに相応しい静粛性や快適性が確保されている点にも注目したい。
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