スバル WRX STI tS 試乗レポート(4/4)

  • 筆者: マリオ 二等兵
  • カメラマン:オートックワン編集部
スバル WRX STI tS 試乗レポート
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ゾクゾクするような気持ち良さが得られる

WRX STI tSWRX STI tS

不敵な「神」の笑みに見送られながら、伊豆サイクルスポーツセンターに設けられた峠コースにて「WRX STI tS」&「WRX STI A-Line tS」でのマキシマム・アタックを敢行します。

まずは、想像をはるかに越えるしなやかな乗り心地にビックリ!

2010年の夏に追加されたノーマルの4ドアWRX STIはけっこうスパルタンな設定で、セダン化されたことによるボディ後部の剛性が痛いほど高まっており(それはそれで気持ちイイ)、足まわりも現代の基準では相当硬い部類に入るのですが、「tS」ではそれが実にイイ塩梅に硬さがほぐれているという印象です。

けっしてユルくなったわけではないけど、角が取れて丸くなったような上質感がありました。路面からの入力がクルマ全体に分散して伝わりながら、最後には天井から空に抜けて行くようなイメージが頭の中に浮かび上がります。

屋根の軽さについては、タイトなコーナーでほのかに感じなくもないかなぁ、という程度。しかし、それよりも余分なエネルギーが霧散していくような感触が心地良い!

WRX STI tS

後輪を軸としながらハナ先が思いのままにスパスパと向きを変えてくれる、最近のSTI車独自のフットワークを味わうと、覚えたてのサルのように死ぬまで遊んでいたくなりました。

ブレーキを踏み遅れて前輪荷重不足を招き、情けない腕アンダーを誘発した時でも、急激に舵力が抜けたり、逆にグリップし過ぎたりすることもなく、ロールとヨーのダンピングを見事に一致させたままニュートラル状態に立て直すことができるところは、未熟なマリオにとっては感動ポイントのひとつです。

まるで、「もうちょっとこうしたほうが上手く曲がれるよ!」とクルマが教えてくれているかのようじゃありませんか!

あまりにも情報が濃厚なので、自分の運転操作によって出た結果に対し、ナゼそうなったのかを自分自身で詳解に理解できるのです。これは近年のSTI車全般に感じられる傾向で、コーナーをキレイに曲がれるたびに「そうだったのか!」と手を叩きたくなるほど。やがて辰己部長が池上彰さんに思えてきました。

WRX STI tSWRX STI tS

「ステアリングフィールはステアリングからではなく、クルマ全体から得られるもの」との辰己部長の言葉を思い出したマリオは、愚かにも、ここでほんの少し「手放し運転」を実行!(歩行者も他のクルマも居ないテストコースですので)

すると、ステアリングから手を離しているにもかかわらず、なんとステアリングフィールが感じられるではないですか!うおおおお!

ステアリングに触れずしてステアリングの感触を味わうことができるというのは、まったく未曾有の経験でした。なるほど、クルマそのものの出来が良ければ、仮にステアリング・ホイールがなくなってもドライバーは気持ち良く運転することができるのです。

たとえば脳からのテレパシーで操縦するなど、遠い未来のクルマはステアリングはおろか、コントローラー的なものさえなくなるのでしょうが、ドライビングという行為から得られる感動は決してなくならない!「WRX STI tS」は、そう実感させてくれたのでありました。

5ATの「WRX STI A-Line tS」でも同じ感動が得られますが、こちらはパワートレーンがやや穏やかな性格ということもあり、クルマ全体がよりマイルドに感じられます。5ATはマニュアルモードでシフトチェンジをするまでもなく、実に適切なタイミングでシフトダウンをしてくれるなど、存外に賢かったことも発見。

ただし、レカロシートの後に座ると、ノーマルのバケットシートはホールド性が全然物足りない!クルマ全体からドライバーの身体に伝わるインフォメーションも、ノーマルのシートでは若干希薄となるので、「tS」の悶絶度を余すことなく満喫するためにも、レカロシートは必須アイテムであると思います。

まさかの事実を教えてくれたインプレッサの「tS」は、期待以上の悶絶必至マシンでした。

スバリストのみならず、すべてのクルマ好きの人にオススメしたいのはもちろんですが、むしろ、運転することでゾクゾクするような気持ち良さが得られるクルマの存在を想像さえしたことがないような、そんな「クルマ悶絶未開発の人」にこそ乗ってほしい。

個人的にはそう願ってやみません。

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筆者マリオ 二等兵
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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