スバル WRX STI tS 試乗レポート(3/4)
- 筆者: マリオ 二等兵
- カメラマン:オートックワン編集部
STI 辰巳氏に直撃インタビュー!「カーボンルーフ」採用の理由とは!?
マリオ:インプレッサのルーフをカーボンにするというアイデアは、どこから出たのでしょうか?
辰己部長:富士重工業時代から先行開発のひとつとして、実は何年も前からやっていました。GDB(2代目インプレッサ)の頃からテストを重ねて熟成させて、満を持しての採用という感じですね。
マリオ:ルーフをカーボンにして低重心化させると、そんなに走りが良くなるものでしょうか?
辰己部長:ルーフが軽いから低重心化されて旋回性能や走行安定性が良くなるというだけではなく、実はいろんな秘密が隠されています。路面からの入力の“いなし”については、スチールのルーフではできない逃がし方ができたりするので、クルマ全体の乗り味の質をさらに高められました。
それはGDBでの開発の時からわかっていたのですが、生産性やコストの問題があり、なかなか市販車には採用できなかったのです。
マリオ:カーボンルーフは、タイムアップ云々よりも気持ち良さの向上に貢献しているのですね。今回の「tS」よりもやや尖ったクルマだったインプレッサの前作「R205」と比べて、どこが一番変わったのでしょうか?
辰己部長:R205の時はタイヤまで作り替えて、エンジンもブレーキも換えましたが、今度の「tS」の場合はそれらには手を入れず、ベース車の素のままで走りをどこまで気持ちよくできるか?ということに挑戦しました。
完成度の高さにおいては、同じレベルに達していると思います。狙った味も同じです(R205で採用された6ポッドブレーキ)。
マリオ:先代レガシィに設定された「チューンドバイSTI」あたりからますます感じられるようになった、まるでタイヤと自分の手足の神経が繋がったかのような独自の感触、あの甘美なステアリングフィールは一体どうやって得られるのでしょう?これもボディの“いなし”効果によるものなのでしょうか?
辰己部長:もはやボディやサスなど、クルマのパーツを分けること自体は間違いで、すべてを一個のクルマとして考えています。たとえば野生動物は獲物を追いかける時に、足だけが動くということはありませんよね。全身の骨格や筋肉のすべてを駆使して走るイメージで仕上げることで、乗り味が良くなって行くのです。
マリオ:なるほど、ステアリングを良くしようとしたのではなく、クルマ全体が良くなったから、その副産物としてステアリングフィールも良くなるわけですね。ということは、将来は電気自動車などでパワステが完全に電動化されても、今のSTI車のステアリングフィールは再現できるということですね!?
辰己部長:そうですね。近い将来、フルEV車を手掛けることになってもSTIの味は出せると思います。そもそも、ステアリングから出る味というのは、必ずしも本物ではありません。特に電動パワステの場合は制御を変えることによって手応え自体はどうとでもなりますからね。極端にいうと、仮にタイヤがヘロヘロな状態でもしっかりとした蛇力や反力を作ることは可能です。
しかし、それが本当に良いかというと違いますよね。そういうデバイスだけで作った感触では、スピンする瞬間やアンダーが出る瞬間がわからないものになってしまいますから。ステアリングから伝わってくる信頼感というのは、実はシャシーや車体全体から出てくるものをドライバーが感じとった結果なんですね。
本当にしっかりとした手応えというのは、おもに後輪から出て来るものなんですよ。クルマがコーナーで踏ん張った時に、後輪からグッと半力が出てくると、良い手応えとしてドライバーは感じとれるのです。各車輪の接地性や応答性をつきつめていくと、おのずとステアリングの手応えは良くなっていきます。その方向性は、電動だろうが油圧だろうが変わることはありません。
マリオ:ステアリングフィール・フェチの自分としては、目からウロコが落ちるようです!ところで話は変わりますが、レース用の改造ヴィヴィオ(※)のテストはどうなっているのでしょうか?
※参照:辰己部長の改造ヴィヴィオ
http://autoc-one.jp/special/586196/0003.html
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