「スバリスト」って一体なに!?スバリストを徹底解剖!(3/3)

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さまざまな「スバリストあるある」も存在

「スバリスト」の傾向としてとしてよく挙がる話として、

・燃費に寛大(リッターあたり2ケタ走れば合格)

・優先すべきは「走り」でデザインは二の次

・ボディの肥大化を嫌う

・クルマ雑誌をよく読む

というのがあります。

燃費に寛大(リッターあたり2ケタ走れば合格)

その理由は、1990~2000年代の主力車種の人気グレードは四駆でハイパワーなモデルばかりだったことが大きく影響しています。そもそも燃費に不利な条件のクルマであるとの理解があれば、多少燃費が悪くてもあまり気になりません。もっというと、同じ条件(ターボの常時四輪駆動)で比較すれば多くの他銘と同等か、ちょっと負ける程度の燃費性能は確保しているので、決して本質的に劣っているわけではない、との認識が燃費への寛大さをもたらしているのです。

空前のブレイクを遂げた初代~2代目レガシィ、あるいは初代~2代目までのWRXは2リッター車では世界トップレベルの動力性能と速さを備えたため、その運動性能を存分に活かして走ると燃費が悪くなるのは当たり前ですが、その時代に「スバルの燃費は極悪」とのイメージを抱いた人は少なくなく、かつ、いまだにそのレッテルが貼られたままだったりします。そんな誤解を解消するための説明に力を惜しまない人が多いのも「スバリスト」の特徴のひとつだったりします。

優先すべきは「走り」でデザインは二の次

先代型XVの登場以降、外観のデザインや色使いなど、パッと見の印象の良さからスバル車に惹かれる人が激増。現行モデルは全体的にデザイン面の評価が高く、見た目の良さは購入動機として大きな比率を占めるに至っておりますが、かつてはそうではありませんでした。

歴史的傑作車のスバル360を始め、初代/2代目/4代目レガシィ、初代WRX、アルシオーネSVXやR1など、デザイン面でも評価の高かったクルマは決して少なくありません。しかし、それでも「スバル車は走りは良いけどデザインはイマイチ」と評される時代が長く続いたのは事実です。

スバル車は設計段階で「0次安全」を重視するため、デザイン性よりも視界の良さやボディ四隅の見切りの良さが優先されるという伝統があります。3代目WRXのように「WRCで勝つため」に5ドアハッチバックボディを採用してインプレッサから一時期セダンがなくなるなど、他メーカーでは考えられない理由によりボディスタイルが変わることさえあるのですが、「スバリスト」はそんな独自の思想に共感する人が多く、したがって「デザインの優先順位は性能や機能より低くなっても是非に及ばず」という考えが支配的でした。

万人が激賞する美しいデザインでも、その結果、視界が悪くなって乗りにくくなるなど、0次安全が犠牲になることは許容できない。そう考えるエンジニアがスバルには多く、また「スバリスト」の多くもその思想に共感してきたことが、デザイン面での評価が芳しくなかった理由のひとつになっています。

蛇足ながら、スバルは伝統的に生産現場の意見を尊重する傾向が強いということも、その理由のひとつになっています。たとえば2代目インプレッサの丸目ライトは、デザイナーの構想としてはライトの部分がもっと車体の中央寄りに配置されていました。その原案デザインを見ると、実際の姿より断然格好良いのですが、生産ラインにおいて「バッテリーを奥に配置すると搭載時の作業性が悪くなる」との理由でライトが前寄りに配置されることになってしまったという経緯があるなど、良いデザインが生まれにくい環境にあったことも、デザイン面での評価が芳しくない時代が長く続いたと言えるでしょう。また、2代目インプレッサのバッテリーの搭載位置については「前輪荷重のかかり方が理想的となる位置」だったこともあり、デザイン性が重視されなかった理由のひとつになっています。

話が長くなりましたが、要するに「ただデザインを格好良くためするだけのデザインは採用しない」という姿勢に共感することから、「スバリスト」の多くはデザインに多少残念なところがあっても受け入れてきたのでありました。

ボディの肥大化を嫌う

これはスバリストに限らず、クルマ好きの多くがそうだと思いますが、やはり航空機メーカーの末裔であることに魅力を感じるブランドに対しては、ひときわ強く抱く人が多い傾向にあります。

特に5代目レガシィで採用したボディの拡幅に拒絶反応を示した「スバリスト」は多く、全体的に大きくなりがちな今のスバル車に対して「北米市場への傾注」と批判的な目で見るスバリストは少なくありません。

しかし、「運転すると実寸ほどには大きく感じない」ことや「世界トップレベルの衝突安全性を得た」などのメリットも多々あり、またボディの肥大化は世界中どのメーカーでも見られる現象なので、時代の流れとして受け入れているという状況です。

クルマ雑誌をよく読む

スバリストはマニアックな人が多いので、クルマのことを深く知りたがる傾向が強く、他のメーカーのファンよりクルマ雑誌をよく読む傾向にあります。「スバル特集をすると部数が伸びる」のも確かで、多くのクルマ雑誌では定期的にスバル特集を組みたがります。最近ではクルマ雑誌以外の雑誌でさえスバル特集を組むことがあるなど、スバルは紙媒体にとって最後の切り札的な存在になっているのです。

というように、スバリストについて筆者の思うところを述べさせていただきました。

もちろんスバリストも様々なので、異論や反論もあるかと思いますが、こうした傾向が強く見られるのは確かであります。

[TEXT:マリオ高野]

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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