カロッツェリアと学生カーソムリエがコラボ!?コンセプトカー計画進行中!(2/3)
- 筆者:
学生カーソムリエ 藏人 脩平さん(東海大学)
学生カーソムリエとして本企画の募集案内を受けた時、初めに浮かんだのは、「ありそうでなかったクルマを作りたい」ということだった。通常、展示車両というと、ただクルマが展示されているだけで「見る」ことしかできない。そこで実際に車両の中を見たり触ったりして「体験」して楽しめることをイメージして企画を制作した。
そもそもこのコンセプトの基本理念は、若年層のクルマへの興味を喚起させる事。そのため、若者がクルマに「乗る」という行為を残しながらも、移動手段・乗り物としてのクルマを、敢えて意識させ過ぎないようにした。すなわちドライブのような「アクティビティ」をこなすことができるが、それだけでなく、中でくつろげる部屋のようなイメージ。そんなイメージが採用されて、土台のイメージが固まった。
納車されたベース車両を実際に見てみると、改めて「自分の案が採用されたんだ!」という歓びと「ホントに大丈夫なのか?」という不安が入り混じった感情を抱いたのを覚えている。しかし、カロッツェリアが「東京オートサロン」という一大イベントに使う展示車両に、私の案が選ばれたという事実は嬉しかった。
このクルマのコンセプトは、外装にはそこまで大それたパーツは加えないものの、内装はけっこう大掛かりに手を入れるというものだった。今回はそのカスタム作業にも参加させて頂き、内外装パーツの取り外し、塗装、さらにバーナーを使った木材加工など様々な作業を体験させてもらった。
作業に参加した2日間は、慣れない作業ばかりで大変なところもあった。迷惑を掛けた部分があったかもしれないが、それでも楽しく作業できたのは、一緒に作業を進めてくださった社員の方々のおかげである。フランクに話し合いながらクルマを作っていく作業はとても楽しく、これも皆様の温かい雰囲気があったからこそだと改めて感じている。
学生カーソムリエ 竹内 綾汰さん(豊田工業高等専門学校)
デモカーのコンセプトを考えるにあたって、自分を含め、いわゆる“最近の若者”のイメージを思い浮かべた。私が一番に思い浮かんだのは「草食系」や「消極的」というイメージだった。世間一般でもそんなイメージを浮かべられがちであるが、「心の中ではそんなことはないんだ!!」という、見えない情熱を表せるように考えたコンセプト。それが「外装はおとなしく、中身はバッチリ最新の車」というものだ。
このコンセプトには他にも狙いがある。「東京オートサロン」ではギラギラしたカスタムを施された最新の車が展示されることが多いが、その中で同じようなカスタムをしていては目立たない。そこで、逆におとなしめな外観で目を引くことができるのではと考えた。実際のベース車両を見ると予想以上に綺麗だったので、外装はほとんどカスタムせず、内装やオーディオを最新にすることでギャップを持たせることができればいいなと思った。
外装とのギャップを持たせる意味で私が提案したのは、スポーツカーなどによく見られる社外の追加メーターをつけるというものだ。それも水温計や油温計などではなく、オーディオと連動させてボリュームなどを表示できるメーターをつけたらおもしろいのではないかと考えた。
2日間に分けて行われた作業だったが、1日目は内外装を取り外し、塗装を行った。自分の車のドアの内張を外したことはあったが、今回は外装も含め、今まで経験のない場所を外す場面が多く「樹脂パーツを割ってしまったらどうしよう」などと不安になることも多かった。しかし、作業の合間などに「割ってしまっても仕方ないから気にせずやろう」と社員の方に言われ、少し気が楽になった。
ある程度取外しが進み、続いて塗装に移った。時間が押してしまい、薄暗いなかでの作業となった。私はほとんど塗装の経験は無く、更に薄暗い中であったため、仕上がり具合がわからないまま1日目が終了した。2日目の朝、1日目の塗装の具合を確認してみると、私が担当した部分はムラやタレができてしまっていた。作業の進度に影響が出てしまい、すごく申し訳なく感じた。
作業以外の休憩時間でも様々なおもしろいお話を聞くことができた。例えば、作業をした施設に置いてあるパイオニア商品をデモンストレーションしながら、私が知らなかった機能や使い方を教えてくださるなど、作業以外も楽しい時間であった。2日間の作業を通して、初めて経験することが多くうまく動けなかった部分もあったが、「東京オートサロンに展示される車に関わっている」ということが非常に光栄であり、とても貴重な経験をさせていただくことができた。
なお今回は、一緒に作業をさせていただいたカロッツェリアのスタッフからもコメントをいただいた。 本企画の構想段階、また当日の作業を通じて、彼らの目に学生カーソムリエはどのような存在として写ったのだろうか。
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