レクサスUSAとアーティシャンスピリッツがタッグを組んだ最新マシンをSEMA SHOW 2021でチェック!

  • 筆者: 岡本晃

世界で存在感を急速に高めているアーティシャンスピリッツ

2021年11月、アメリカ・ラスベガスで世界最大規模の自動車パーツの祭典「SEMA SHOW 2021」が開催された。世界から集まったカスタムパーツメーカーに、最新モデルをひっさげた自動車メーカーなど、広大な敷地に展示ブースが果てしなく続く桁違いのスケールには、いつも想像を超える驚きがある。

日本のドメスティックスタイルへの注目度は相変わらずで、まさに世界に名だたるメーカーが名前を連ねるなか、日本からも多くのメーカーが出展していた。なかでも、レクサスUSAやトーヨータイヤといったメジャーメーカーのブースに展示していた車両にパーツをサポートし、急速に存在感を高めているボディパーツブランドのアーティシャンスピリッツに注目した。

アーティシャンスピリッツといえば、国内のみならず世界にその名を知られるボディパーツブランド。レーシングカーのようなレーシーさとスタイリッシュを両立。大胆かつ緻密なデザインワークと、精度の高いディテールが融合することで生み出された独自な世界観により、カスタムシーンだけでなく、レクサスUSAとのプロジェクトでエクステリアパーツの開発を担うブランドとしても、その認知度を大きく高めている。

レクサスUSAのカスタマイズプロジェクトでエクステリアパーツの開発を担当

アーティシャンスピリッツがSEMA SHOWに初めて登場したのは2009年。DUBブースでレクサスSC430の展示からスタートした。2014年にはレクサスUSAのプロジェクト車両へとエアロパーツを供給し、同ブースにレクサスNX200tを展示する。2016年には世界初のレクサスLC500のカスタマイズプロジェクトに参加し、エクステリアパーツの開発などを担当。そこで誕生したのが、「ARTISAN SPIRITS BLACK LABEL LEXUS LC500」だ。

2020年にはアメリカ・コロラドスプリングスで開催された「PIKES PEAK HILL CLIMB CHALLENGE」にサプライヤーとして参戦。アーティシャンスプリッツ・GTワイドボディキットを装着したトヨタ86(EVASIVE Motor sports)が無制限クラスで優勝など、北米での知名度は日本で感じる以上に高いものになっている。

デザインを損なわず、マッシブに仕立てるワイドボディキット装着のIS350GT!

それではここから、SEMA SHOW 2021で展示されていたアーティシャンスピリッツのボディパーツ装着車をピックアップしたい。まずは、レクサスUSAブースに展示されていた「LEXUS IS350GT tuned by DSPORT and Scott Pruett」をチェック!

Scott Pruett氏は、レクサスのアンバサターであり、NASCARやCARTなどで活躍し、デイトナ24時間レースで5度の総合優勝した人物。そんなScott氏とのコラボで生まれたのが、ド派手なラッピングを施したトラックスタイルのIS350GTというわけだ。

Scott氏が被っていたヘルメットからインスパイアされたという、マットブルー&オレンジの刺激的なボディラッピングに目が惹きつけられるが、トラックスタイルをよりリアルに昇華しているのが、アーティシャンスピリッツのGTワイドボディキットだ。

フロントフェンダーは30mmワイド化し、リアは50mmオーバーフェンダーを装着。エッジを効かせたデザインにより、後付け感なくマッシブなムードをアピールしている。リアエンドに備えたダクト形状も斬新で、アグレッシブなバックショットまで手に入れている。

ボトムにはカーボンファイバー製のフロントスプリッターにサイドステップ、リアディフューザーを装着。ボディ形状に合わせてシェイプしたフロントスプリッターは、両サイドを立ち上げることでフェイスをワイドかつレーシーに仕立てている。

近くLS500搭載の3.5リッターV6エンジン(V35A)をツインターボ化したものを搭載し、さらなるパフォーマンスアップを予定しているとのこと。その仕上がりをぜひともチェックしたいところだ。

流麗なスタイリングに磨きをかけたLC500コンバーチブルの進化形

トーヨータイヤのブースにディスプレイされていたのが、レクサスLC500コンバーチブルをベースにした「LEXUS LC500 RACER tuned by Evasive motor sports and produced by Gordon ting(LEXUSTUNED)」だ。

シルバーボディにブラックカーボンを随所に取り込んだスマートなスタイリングが印象的だ。

ボトムには、アーティシャンスピリッツのカーボンファイバー製カーボンスポイイラー(フロントスプリッター、サイドステップ、リアディフューザー)をインストール。

ボトムパーツからのつながりが美しいオーバーフェンダーアーチも取り込み、ワイド感を演出していた。

注目は、シートバックに取り込んだルーフカバー。

ヘッドレストからつながるような丸みのある2つのルーフ形状により、スーパーカー然としたオーラを手に入れている。ドア上部からのラインを取り込むため、シートを覆うようなカーボン形状も面白い。

アーティシャンスピリッツのデザイン巧者ぶりを遺憾なく発揮していた。

テスラ・モデル3をアグレッシブなレーシングカーへと昇華!

トーヨータイヤのブースに置かれていたもう1台が、「TESLA MODEL3 EVS produced by Daniel K Song support by Evasive motor sports」だ。

テスラ・モデル3の人気は高く、北米ではチューニングのベースとして、多くのアフターパーツメーカーがアイテムをリリースしているクルマだ。

そんなモデル3に対し、両サイドを立てたフロントスプリッターをはじめ、ボディパーツにはアーティシャンスピリッツのスポイラーキット(フロントスプリッター、サイドステップ、リアディフューザー)を装着。

目を引いたのは、ワイド感を主張するEVSオーバーフェンダーキット。上部にダクトを設けることで、機能性だけでなくレーシーなビジュアルも獲得している。

ボルテックス製のGTウイングと合わせることで、アグレッシブなムードを増幅していた。

この他、ホイールはアドバンGTビヨンドを、ブレーキシステムにはブレンボ製GT(405mm/308mmセラミックローター)をインストール。

足まわりにはKW製Variant3(車高調スプリングなど特注で換装)を取り入れるなど、モデル3をスマートなトラックスタイルに仕上げていた。

パイクスピーク参戦のテスラ・モデル3ベースのレーシングマシン!

ディストリビューターのTURN14のブースには、2021年のパイクスピークに参戦した「TESLA MODEL3 PIKES PEAK tuned Evasive motor sports」を展示。

Evasive Motorsportsが製作したマシンを、アメリカのフォーミュラー・ドリフト(フォーミュラD)シリーズに参戦する吉原大二郎選手がステアリングを握り挑戦したパイクスピークインナーナショナルヒルクライムの実車がこれだ。

アーティシャンスピリッツのボディキットに、EVSオーバーフェンダーをベースにしたパイクスピークマシンならではの大型化したフロントスプリッターやリアディフューザー、GTウイングなど、レース用ワンオフパーツが盛りだくさん。

アメリカコロラド州にあるパイクスピークという山を舞台に行われている世界的なレースである「パイクピーク」への参戦により、アーティシャンスピリッツのボディパーツの高い機能性と強度を証明している。

“アクティビティ&デザイン”をコンセプトに、クルマ好きの心に訴えかける!

クルマが本来持っている機能性を損なわず、スタイリッシュかつレーシーなフォルムに仕立てるアーティシャンスピリッツ。

“アクティビティ&デザイン”というブランドコンセプトをカタチにすべく、緻密に考えられたデザインワークは、国や地域を問わず、クルマ好きのプリミティブな心に訴えかけることが分かる。

ストリートからサーキット、パイクスピークまで、ジャンルを問わず、ワールドワイドに展開するアーティシャンスピリッツの今後の動向に注視しておきたい。

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