マツダが異例の対応! 新型の性能向上を旧モデルオーナー向けにも無償対応へ
- 筆者: MOTA編集部 木村 剛大
- カメラマン:MOTA編集部
新車購入後に改良モデルが発売されてしまい「もう少し待っていれば……」と後悔した経験のある人も多いはず。そんな中マツダでは、ソフトウェアのアップデートによりクルマの性能向上を可能にするサービスをスタートする。
マツダの常識破壊! ソフトウェア更新で新たな挑戦
これまでソフトウェアのアップデートでクルマの機能や性能を更新するといった有償・無償サービスは、海外メーカーの車両がほとんどであった。
ボルボは内燃機関モデル向けにでポールスター・パフォーマス・ソフトウェアなる商品を発売している。こちらを購入し、インストールすればエンジンとギアボックスの制御を変更し、スポーティな走りを味わえるというものだ。
しかしこのような例はごくわずかだ。ソフトウェアの更新というと、ディーラーの点検時に車載コンピュータのプログラムやカーナビ用地図データのアップデートを行う場合はあるが、クルマの性能を向上させるというのは、国産メーカーに限っては未知の世界とも言えるのだ。
既存ユーザーを大切に! マツダの新提案が素晴らしい
ところが、だ。マツダはMAZDA3より順次ソフトウェアの更新によるアップデートに対応させるという。
事の発端は2020年11月に行われたMAZDA3 スカイアクティブXの改良である。最高出力、最大トルクといったパフォーマンス面、さらには足まわりの変更を実施したのだ。
スカイアクティブXは、ガソリン、ディーゼルエンジンそれぞれのイイとこ取りをした夢のエンジンとして華々しくデビューした。ところが直近の販売データを見てみると、ガソリンモデルに対し68万円高という高価な設定ということもあり、スカイアクティブX搭載車はマツダ3全体のたった6%に過ぎない。決して成功しているとは言えない現状があるのだ。
それだけにさらなる改善を期待されており、今回MAZDA3が実施した改良はその第一弾というイメージだ。
>>扱いやすくなった! パワーアップしたMAZDA3はコチラ
マツダのお客様第一主義はホンモノだった
昨今のマツダはすべての車種において「全車種に最新の機能を!」というスローガンを掲げており、毎年のように改良を行っている。「いつ買えばいいのかわからない」という意見もあるが、一方で常に最新技術を全車種に対応させるという考えは、マツダにしか実現できない最大の武器とも言える。
ただし当然ながら、新型がエンジン出力など走行性能を向上させたとしても、既存モデルオーナーは諦めざるを得なかった。
そんな不満に応えるべく、今回改良されたMAZDA3 スカイアクティブX搭載車に関してはソフトウェアの更新により改良モデルと同性能にするプログラムを提供するというのだ。マツダのお客様第一主義の考えがさらに一歩進んだというイメージである。
既存オーナーに朗報! 更新はタダ
しかも注目すべきは、その工賃が無償であること。ちなみに先に挙げたボルボのポールスター・パフォーマス・ソフトウェアは、マツダの考えとは異なり趣味性の高い商品であるため有償(18万8000円)となる。タダでアップデート! という今回の施策は、少なくない価格差を投資してスカイアクティブX搭載車をいち早く購入したオーナーにとって嬉しいポイントであると同時に、マツダ車に対する愛着も深まることだろう。
もはや革命! 他社もマネしてほしい
今回のマツダの挑戦はもしかすると自動車業界にとって大きな起爆剤となる可能性もあるのだ。というのも今回のアップデート内容は走行性能の向上であり、簡単に言えばパワーアップである。
自分好みの愛車にできる喜び
だが、オーナーの中には「今の走行フィールがお気に入り」という声もあるだろう、そんな方はアップデートしなければいいのだが、これにこそ大きなポイントがある。
一つのモデルに複数のプログラムが用意された場合、一車種でさまざまなバージョンが誕生することとなる。将来的には自分好みのバージョンをオーナーが選択できるようになり、まさに自分好みのクルマに仕立てることも可能なのだ。
現状このサービスの対象となるのはMAZDA3 スカイアクティブ搭載車のみだが、他のディーゼルやガソリンモデルへの展開も期待したいことろ。もっといえば、他のCX-5やCX-8など全車種にも対象範囲を広めて欲しい。
オーナーを大切に! 他社も追従するか?!
クルマに限ったことではないが日本メーカーは新規顧客(自動車業界でいえば新車)を第一に考え、既存ユーザーは二の次といった風潮がある。それだけに今回、マツダは既販車にも対応させたことは非常に嬉しいニュースだ。
ユーザー第一主義を掲げるマツダらしい提案であり、これを機にトヨタやホンダといった他のメーカーにもこの考えが浸透することに期待したい。
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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