ルノー 新型メガーヌ 試乗レポート/藤島知子(3/3)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:オートックワン編集部
意外と太い低回転トルクのおかげでストレスフリーな走り
5ドアのメガーヌに採用された140馬力エンジンは、アライアンス関係にあたるルノーと日産が共同開発した2Lの自然吸気タイプ。わずか2,000回転でトルクの87%を発生するとあって、余裕の走りを楽しめます。
CVTとの組み合わせということで、「フランス車らしい走行感覚がスポイルされていないのかしら?」と疑ってかかってはみたものの、低回転からトルクを引き出すエンジンのおかげでアクセルペダルを無理に踏み込むような必要性はほとんどナシ。
日本の道路環境を知り尽くしたCVTだからなのか、頻繁にアクセルのオンオフを繰り返す、東京の環状8号線といった万年渋滞の道路でも、エンジン回転と車速がチグハグになるようなことはありませんでした。
周辺の交通環境に合わせて車速をコントロールしたいときは、ドライバーの意志を汲み取る能力に優れていて、タイヤの転がりが滑らかに感じられる足回りと相まって、安心感を与えてくれます。
とはいえ、ベーシックな仕様となるプレミアムラインについては、最近のCセグメントのライバルたちがフロント周りの静粛性向上に力を注いでいることもあって、メガーヌはタイヤのロードノイズが少々大きめに伝わってくる印象も否めない感じ。
ちなみに、サスペンション自体は先代と同じ形式ですが、サイドメンバーの横方向の剛性は3倍もアップ。また、メガーヌ ルノー・スポールと同じ、高剛性で軽量なフロントアクスルが採用されているおかげもあって、車線変更の際にハンドルを切り出すと、スッと姿勢を変えて、また元の安定感のある姿勢を取り戻してくれます。
レスポンスのよさを感じるのはこうした理由もあるのかも。
GTラインはママだって大丈夫!
全体としては、フランス車らしい『のほほん』としたリズムで走るというよりは、程よく快適な乗り心地を維持しつつ、スポーツライクな走りを楽しませてくれるタイプといえそうです。
ちなみに、17インチのGTラインは、ルノー・スポールと同じ白い文字盤の回転計を含めたアナログタイプの3連メーターを採用。ブラック基調のインテリアで、サイドサポートがしっかりとしたシートは、スポーティな気分に掻き立てられますが、2ペダルのCVTだからといって、パドルシフトの装備はナシ。自主的に変速したいときはフロアシフトを操作します。
17インチタイヤはプレミアムラインよりは少々コツコツとした当たりを感じますが、同乗者が不快に感じるレベルではない感じです。スポーティなモデルのルックスが好きなパパがGTラインを購入したとしても、ステアリングは女性でも自然に扱える操舵フィールなので、奥さまが日常使いでハンドルを握っても、車庫入れで苦労することもなさそうです。
また、ファミリーユースも考えられるモデルだけに、実用性も気になるところ。
先代モデルでは少々狭く感じられたラゲッジスペースですが、実用性は大きく向上している点は注目していただきたいポイント。
以前は330L程度だったラゲッジの容積は372Lに拡大。開口部が低く、床面が広くフラットなフロアとあって、大きな荷物が積み込みやすい。これは350LのVWゴルフを大きく上回るサイズといえます。さらに後部座席は6:4の分割可倒式の背もたれを倒せば、大きな荷物を積むことも可能です。
ルノー新型メガーヌ、みなさんも是非ご試乗されてみてはいかがでしょうか。
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