ポルシェの電動スポーツカー「タイカン」の後輪駆動モデルをテスト[Vol.1]/ポルシェ タイカン【PR】(2/2)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:小林 岳夫
環境に配慮した素材を用いたインテリア
グラファイトブルーで統一されたインテリアは、上質かつシックだ。911シリーズなどに用意されている“走りのためのインテリア”という意匠はタイカンにもきっちりと継承されている。それぞれが個室のようにセンターコンソールで区切られた前席は、程よく包み込まれるようなパーソナルスペース感覚を備える。しかし同時に、タイカンらしい先進も用意されている。
ドライバーとパッセンジャーを区切るセンターコンソールには、ナビ画面などを表示するメインディスプレイと同様、タッチスクリーン式の操作パネルが配されている。エアコンなどのクライメート系や灯火類など、これまで物理ボタンが置かれていた操作系が集約されたのだ。これにより、時代のトレンドにも相応しい、スッキリとしたミニマルな美しさを手に入れているのもスタイリッシュだ。
そんなコンソール上のスターターボタンを押すと、音もなく計器類とメインディスプレイが目醒める。むろんドアを閉めればポルシェは、高級車としての側面をきっちりと静粛・密閉性で表現するから、この起動の瞬間はほんとうに文字通り、静寂の中でもたらされることになる。ポルシェをドライブするという高揚感を余計に際立たせてくれるような、不思議なセレモニーのようだ。
そうそう、シフトセレクターはステアリングホイールの左側奥にある。これもセンターコンソールが整理された大きな要因。この、驚くほど小さなシフトをDに押し下げ、ブレーキを離す。アクセルペダルはポルシェらしいかっちりとした踏みごたえを求めてくる。そっと踏み込むと、意外にもEVらしからぬ、まったりとした加速でボディーを押し出した。そう、やみくもにトルクを発揮させない、こういう加速への思いやりもポルシェの上質を強く感じさせる演出でもある。誰だって普通、街ナカの時速0km/h加速で、振り回されたくはないもの。
エレガントに躾けられた街中での振る舞い
都心部をサラリと流す。東京のビル群が雨に綺麗だ。そんなふうに街を眺める心の余裕が生まれるほど、市街地でのタイカンはエレガント。先述の通り、信号待ちなどで一旦完全停止をしたあとなら、少し雑にアクセルを踏み込んだとしても、鼻先が浮いてしまうようなピッチング挙動は一切生まれない。ここは走行モード選択でも変わってくるだろうが、ノーマルモードに設定していれば、スロットルコントロールの妙だろうか、かなりしなやかにトルクを生むよう制御されているようだ。
しかし、滑り出した瞬間から前にスルスルと進み出す感覚は、いかにもポルシェらしいのだ。まるでよく出来たガソリンエンジンのように、太いトルクバンドで軽やかに車体を押し出す感じ。そして、それを後輪駆動が快適なハンドリングに繋げていく。イライラするほどストップ&ゴーの多い東京都心部だけど、角をひとつ曲がるのにワクワク出来るのは、やはりこのグレードならではの楽しみ方かもしれない。
面白いのは、電動モデルだからといって、やけに軽やかなステアリングフィールにされていないこと。これによって細かなコーナリングも的確に行え、ちゃんと『自分がクルマを操作している』という、ハンドリングへの手応えを確実に得られるようにされていることを、とてもうれしく感じた。
高級車のもてなしとスポーツカーの走り
もしあなたが、ファーストポルシェとしてタイカンをガレージに迎え入れようと思っているならば、それはある意味、とてもユニークな経験になると思う。言うまでもなく、ポルシェの長い歴史の中でもこのクルマは、同社として初めてのチャレンジをたくさんつぎ込んだモデルだ。しかしだからこそ、今乗る意味があるとも言える。そして、実際に乗ってみればきっと、高い満足度でカーライフを送ることが出来るだろう。
たとえば走るシーン以外、そう、渋滞時なんかではタイカンの高級車としての横顔で疲労の軽減を感じるだろうし、郊外に足を伸ばせば、スポーツカーとしての本来の気持ちよさを存分に発揮してくれるはず(これは次の記事でレポートしたい)。つまり、圧倒的に守備範囲が広いのだ。これこそタイカンの最大の魅力だと、私は思う。いくつもの顔を持つ、ゴージャスなスポーツカーであるということなのだ。
[筆者:今井 優杏/写真:小林 岳夫]
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