ポルシェの提案するスポーツモデルのPHVとはいかに?パナメーラS Eハイブリッド/カイエンS Eハイブリッド試乗レポート(1/3)
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:島村栄二
プラグインハイブリッドのメリットとは?
『プラグインハイブリッドの燃費って本当にいいの?』
実際にプラグインハイブリッド(PHV)車を購入したオーナーのなかに、こんな印象をお持ちの方がいるかもしれません。
たとえば、ここで紹介するポルシェ「パナメーラS Eハイブリッド」がヨーロッパで公表している燃費データ(ECE R 101、複合モード)は3.1L/100kmで、日本式に改めるとなんと32.3km/L!
ところが、私が都内で実測したときの燃費は14km/Lほどでした。車重2トンを越す大型スポーティサルーンであることを考慮すれば、これでも十分に低燃費ですが、ヨーロッパのデータとは大きな隔たりがあります。
どうしてこういうことが起きるのでしょうか?
ヨーロッパと日本では計測方法が違う
プラグインハイブリッド車は、EVと同じように電気だけでも走行できますし、普通のハイブリッド(HV)車のようにモーターの助けを借りてガソリンエンジンの効率を改善しながら走行することもできます。そして、電気の力だけで走ればもちろんガソリンは1滴も消費しません。
では、電気の力で50kmを走って、次の50kmをガソリンエンジンで走ったとしたら、燃費はどうなるでしょうか? 実際にガソリンを消費したのは50km分でも、電気とあわせて合計100kmを走ったと考えれば、燃費はたちどころにして2倍になります。つまり、本来の燃費が14km/Lでも、この方式を用いれば簡単に28km/Lへと伸ばすことができるのです。
私が都内で計測した14km/Lという燃費は、こうしたわかりにくさを取り除くため、バッテリーに電気が充電されていない状態から計り始めて得た数値です。けれども、ヨーロッパでは事前にバッテリーに充電した電力を織り込んで燃費を算出している。両者の間に開きがでてくるのは当然のことといえます。
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