ポルシェ 新型SUV「マカン」海外試乗レポート/清水和夫(1/2)
- 筆者: 清水 和夫
- カメラマン:ポルシェジャパン
スポーツカーメーカーのポルシェがSUVを作る理由とは
なぜスポーツカーメーカーがSUVを作るのか。
その謎は簡単に解ける。
ポルシェは1980年台に「ポルシェ959」というスーパーカーを開発し、リアエンジン+四輪駆動を組み合わせてパリダカールラリーに出場していた。その経験があるのでオフロードを速く走ることも得意だ。
一方、背が高いSUVを速く走らせるにはレースで鍛えたシャシー技術が必要となる。つまり高速型SUVこそポルシェが得意とする技術領域だからだ。
今回の「マカン」は今の「カイエン」を短くしたサイズを持っている。上から投射したらスクエアなスタイルを持つ。トレッドが広いからコーナーリングは安定しているし、前後のオーバーハングは短いからオフロードも走りやすい。
どんな状況でもポルシェの走りを楽しめる、オールラウンドな1台
オフロードも試したが、ポルシェ マカンのオフロード性能には脱帽だ。オンもオフも、あるいは時速30キロでも200キロでもオールラウンドでポルシェの走りを楽しめるマカンは、トランプゲームのジョーカーみたいだ。これ一台ですべてのニーズに対応できる。
気になるのは実際のサイズだ。全長4,681mm x 全幅1,923mm x 全高1,624mmは決してコンパクトではい。ターボはインタークーラーの関係で全長は18ミリ長い。
走りが命のポルシェ マカンのハンドリングはかなりヤバイ。コーナーはほとんどロールしないで路面に吸い付いて走る感覚だ。しかし、荒れた路面では乗り心地は悪くない。
それどころかサスペンションが十分に凹凸路を吸収してくれるので、上質な乗り味を持っていることが嬉しい。つまりサスペンションの上下方向の動きはマイルドであるが、横方向にはスポーツカーチックな踏ん張りが頼もしい。
「マカンターボ」は3.6リッターV6ターボが搭載され400馬力550Nmのパワーとトルクを発揮する。マカンシリーズのホットモデルであるから0-100キロ加速は4.8秒と911カレラ並の速さを誇る。「マカンS」には3リッターV6ターボが搭載され、このエンジンは340馬力460Nmのトルクを絞りだす。
今回はこの二種類のV6ターボを試乗したが、「マカンS」でも十分な肉食系SUVのキャクターを演じていたことは明らかだった。ちなみに0-100キロ加速は5.4秒。
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