ポルシェ ケイマンR 試乗レポート/河村康彦(1/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ ジャパン
魅惑のミッドシップ・ポルシェが誕生!
スパイダーという名が与えられたスパルタンなボクスターが誕生した時、「その手をケイマンで出来ないか?」と思った人は少なくないだろう。
「S」グレードをベースに大幅な軽量化を実現し、最高出力が10ps増しの心臓を搭載。そこに専用チューニングを施し、よりスポーティな足回りを組み合わせたボクスター・スパイダーは、「そもそもポルシェの考えるボクスターは、こうした仕様ではなかったのか!?」と思わずそんな事を感じさせる、軽快な走りのテイストを味わわせてくれた。
それゆえに、「ならば、よりしっかりしたクーペ・ボディのケイマンで同じ手法を使えば、さらに魅惑的なミッドシップ・ポルシェが完成するのでは?」と、そう考える人が現れても不思議はない。そして、まさにそうしたアイディアが具現化されたのが、ボクスター・スパイダーの1年遅れで姿を現したこのケイマンRというわけだ。
「PORSCHE」の名が刻まれたサイドデカールや固定ウイングタイプに変更されたリアスポイラーなどから、既存のシリーズと見分けが可能なケイマンR。そんなこのモデルの軽量化の手法は、基本的にはボクスター・スパイダーの場合と同様だ。
すなわち、ドアパネルのアルミ化やグラス/カーボンファイバー製骨格を用いたスポーツバケットシートの採用などを行い、エアコンやナビゲーション・システムといった豪華装備はオプション化。
ただし、ボクスター・スパイダーでは、それらに「ソフトトップ構造の簡略化」という大物メニューも加えられていた。カタログ上での減量成果が55kgと、ボクスター・スパイダーの80kgに及ばないのはこうした理由が大きいと推測出来る。
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