ポルシェ カイエン 海外試乗レポート(2/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン株式会社
直噴化は「圧倒的に強力な走りを手に入れよう」という決意
マイナーチェンジを受けたカイエンの「見えない特徴」――まずその最たるものは、従来通りの『カイエン』、『カイエンS』、『カイエン・ターボ』という3タイプが搭載する各エンジンが、全て新規開発によるユニットへと置き換えられた点にある。V型6気筒、V型8気筒、そしてそのツインターボ付き・・・と前出それぞれのモデルに搭載される各心臓の基本デザインは変わらないものの、見逃せないのはその全ての燃料供給系が直噴式へと変更された事。
最近では、燃焼室内への燃料直接噴射が“燃料冷却”の効果を持つ事から、それによるノッキング限界の高まりを活用して圧縮比を上げ効率アップを狙う例が少なくない。しかし、カイエンの新しい心臓の狙いがそうした多くの直噴エンジンたちと異なるのは、同時に排気量アップを図った点にも明らか。すなわち、カイエン用の新エンジンは直噴化に伴う効率のアップと共に明確なパワーアップも意図。ここ数年で“周辺ライバル”たちが積む心臓が徐々にパワーアップを続けているのを受け、このタイミングで再び「圧倒的に強力な走りを手に入れよう」という決意のほどが読み取れる。
実際、3.2リッターから3.6リッターへと変更された『カイエン』は40psアップの290ps。300cc拡大で4.8リッターとなった『カイエンS』は45psアップの385ps。そして、同じく4.8リッターのV8ユニットに大型のラジアルタービンを備える新ターボチャージャーを2基加えた『カイエン・ターボ』の最高出力はついに500psと、それぞれ大幅なパワーアップを実現。ちなみに、最強版であるターボの動力性能は0→100km/h加速タイムが5.1秒で最高速が275km/hなどと、到底SUVのそれとは信じがたいほどのデータが並ぶ。
そしてもう一点、今回のマイナーチェンジでの大きな技術的トピックは、『ターボ』には標準、それ以外のモデルにはオプション設定のエア・サスペンション選択の際に、さらにオプション装着が可能な“PDCC”が新設定された事。
ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロールと名づけられたこのシステムは、前後個別に剛性コントロールが可能な連続可変制御スタビライザーにより、走行性/快適性をさらに高めようというアイテム。最大180バールという高圧により瞬時に作動をする油圧スイングモーターを、前後のスタビライザー・バーに装着。これにより、最大0.65Gまでの横加速度に対して“ゼロロール”の姿勢を保つ事が可能になる、というのが担当エンジニア氏による説明だ。
4つの車輪のストロークをモニターし、3つのセンサーがボディ加速度をチェックする独自開発によるコントローラーは、さらにステアリング角や車速の信号も拾って制御を実施。トランスファ・スイッチでローレンジ・モードを選んだ際の35km/hまでの速度では、ロール剛性を落としてより高い4輪の接地性を狙う“オフロード制御”が行われるのがSUVならではのロジックだ。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。