ポルシェ カイエン 海外試乗レポート(1/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:ポルシェ・ジャパン株式会社
ポルシェ カイエン 海外試乗レポート
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見えない部分に秘められたビッグチェンジ

ONでもOFFでもナンバー1! ―― ポルシェのブランド名を冠するに相応しいそんな“スーパーSUV”を目指してカイエンがリリースされたのは2002年の秋の事。そして、「ポルシェがSUVを手掛けるなんて・・・」と当初は戸惑いの声も聞かれたそんなこのモデルが、しかし現代へと続く同社の業績絶好調を導く大いなる立役者となった事に、もはや異論を挟もうという人は居ないだろう。

実際、世界のSUVの中にあってはトップランクの高価格帯に位置するモデルにもかかわらず、発売以来の累計販売台数はすでに15万台以上。911シリーズ、ボクスター/ケイマン・シリーズ、そしてカイエン・シリーズ・・・とポルシェの現行ラインナップを3つに分ければ、最も多くの台数を捌いているのは実はカイエンなのだ。「収益性に優れた高価なモデル」が「数多く売れる」となれば、好調な業績の牽引役となるのも当然しごく、というわけである。

そんなカイエンが、恐らくは次期型へとフルモデルチェンジするまでの間で最初で最後となるであろうビッグマイナーチェンジを行い、再度リリースされた。

ひと目で“最新版”と判断出来る外観上の大きなポイントは、ご覧の用に薄型化したヘッドライトを文字通りの“目玉アイテム”とする新しいフロントマスクや、LED化されたテールライトの新採用といった項目。が、「ポルシェのマイナーチェンジ」がそうした見た目の化粧直しだけで終わるはずもない。今度のカイエン・シリーズの場合も、その真のビッグ・メニューはむしろ見えない部分に秘められている、と言っても良いものだ。

そんな最新シリーズの国際試乗会の舞台となったのは、スペイン南西部でもはや隣国ポルトガルにも近いヘレスの街の近郊。実は、この地は初期モデルデビューの際にも国際試乗会の場として選ばれたところ。交通量の少なさと見通しの良さゆえに「飛ばそうと思えばいくらでも飛ばせる」し、一方で“奥地”に向かって進めば「それなりのワインディング・ロードにも事欠かない」と、やはりいかにもポルシェ本社のイベントチーム好み(?)の環境が整うのがこのあたりなのである。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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