ポルシェ ボクスタースパイダー 海外試乗レポート(1/2)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェジャパン
「カレラGT」を彷彿とさせる新造形のリアビュー
地元アメリカのメーカーは依然「病気療養中」という雰囲気を抜け出せず、前回までは派手なワールドプレミアのニュースも聞かれた日本勢も、今回は日産以下複数のメーカーが出展を見合わせ・・・。
こうして、東京モーターショーほどの悲惨さではなかったものの、どこか”今だ寒風吹きすさぶ”という感の否めなかったのが、今年のロサンゼルス・オートショー。
そうした中で、今回のショーのスターの座を射止めたのは紛れもなくこのモデル!そう、「シリーズ三番目の兄弟」と紹介されるボクスター スパイダーだ。
ボクスター スパイダーのベースとなったのは、これまでシリーズ中でハイパフォーマンス・バージョンと位置付けられてきた「ボクスターS」。
それを叩き台に様々な軽量化を行い、よりスポーティなチューニングが施されたサスペンションや、ケイマンSに搭載される「ボクスターS比で10psプラス」の出力を発生する心臓を移植したのが、ボクスター スパイダーなるモデルの概要である。
かくして、当然ながら「その走りのテイストが、いかにスポーティでホットなものか!」と期待させるボクスター スパイダーの魅力は、実は走り出す以前のルックス面にもある。
高性能バージョンらしく、インテーク類が強調されたフロントビューも然ることながら、何と言っても目を引かれるのは、オリジナルのボクスターとは全く異なる軽やかさを演じる、ボディ・リアセクションの新造形。
”ストライキング・ドーム”と称された2つの膨らみと、固定式スポイラーを備えたリア・リッドによって演じられるリアビューは、かの「カレラGT」を彷彿とさせる。いかにも「基本はオープンの状態!」と全身でアピールをするのが、ボクスター スパイダーのデザインだ。
ちなみに、これまでのボクスター以上に地を這うイメージが強いのは、決して新デザインがもたらす印象だけではない。走りに磨きを掛けるべく強化されたサスペンションは、同時に20mmのローダウンも実現。実際に「より低く身構えている」のが、このモデルであるからだ。
一方、そんなリア・リッドが軽量を特徴とするアルミ材で製作されている事を筆頭に、ボクスターとしてはかつてないレベルでの徹底した軽量化が施されているのも、ボクスター スパイダーならではの大きなポイント。ドアを911ターボやGT3譲りのアルミ製へと変更し、シートも軽さが売りの専用アイテム。
さらには、専用ホイールの採用やエアコンのオプション化、燃料タンクの小容量化などによって、トータルで80kgの減量を達成している。
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