ポルシェ 911 海外試乗レポート(3/4)
- 筆者： 河村 康彦
- カメラマン：ポルシェ・ジャパン株式会社
電光石火のPDK×刷新された3.6L＆3.8Lの怒涛のパフォーマンス
スポーク部分にPDK用のシフトスイッチが設けられた新デザインのステアリング・ホイールを軽く握り、新しいパワーパックを手に入れた最新の911で早速スタート。すると、まず驚かされたのはまるでトルコンATのようにスムーズな、PDKの微低速域での扱いやすさだった。通常この種のトランスミッションはこうした領域を苦手とし、時にギクシャクした動きをしがちだった。
だが、PDKはそうした兆候は一切示さない。これならば、傾斜の付いた車庫にバックで駐車、といったシビアなシーンでも、何の問題もなさそうだ。一方で、ドライバーが操作を行うよりも遥かにスピーディに多段シフトをやって退けるという、こうしたトランスミッションが好む科目ももちろん大の得意。中でも、オプションの“スポーツクロノ・パッケージプラス”を選択すると、多少のシフトショックは伴いつつも、さらなる電光石火のシフトワークまでもを可能としてくれる。
エンジンは、アクセルワークに対するさらなる素早いレスポンスと、従来型を全域で上回るパワフルさを味わわせてくれるが、特に見逃せないのは3.6リッター・ユニットの高回転域にかけてのシャープなパワーフィール。むろん絶対的な出力では3.8リッター・ユニットが上回る。しかし、“スポーツ心臓”らしい高回転域にかけてのメリハリある伸び感という点では、それに勝るとも劣らないのが新しい3.6リッター・ユニットだ。
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1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン（三栄書房）の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る
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