【試乗】ポルシェ911シリーズ「GT3・ターボ カブリオレ・タルガ4・カレラ7速MT」2015年モデル イッキ乗り!/金子浩久(4/6)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:小林岳夫・原田淳
Porsche 911 Turbo Cabriolet(ターボカブリオレ) ~GT3とは、速さの質が異なる~
911 GT3が体脂肪率がヒトケタ台の飛び切りのアスリートだとすれば、「911 ターボ カブリオレ」はそうした身体能力に経験というか知性のようなものが加わったベテランのスポーツ選手のようなものだろうか。
ターボ カブリオレはその名の通り、ターボ過給された520馬力もの911シリーズ二番目の最高出力と、それを余すことなく路面に伝える4輪駆動というGT3にはない武器を備えている。おまけに試乗したターボ カブリオレは屋根が開く。速く走るだけではなく、幅広くクルマを楽しめる。GT3とは速さの種類が違う。余裕と特濃。パワーがビシッと詰まっている。
GT3はドライバーもつねにソノ気になっていることを要求されるのに対して、ターボ カブリオレはクルマに任せたままで速く走れる感覚だ。流行の言葉で言えば“メンド臭くない”速さ。これ見よがしじゃない。もちろん、誰が運転したって怒濤の速さに驚かされるのだけれども、クルマや運転以外のことを考えながら、あるいは助手席に乗せた人と会話しながらでも楽しめる速さといったら、それを想像していただけるだろうか?
つまり、GT3は運転に集中することでその実力と魅力が引き出せるのに対して、ターボ カブリオレは余裕を持っていて、喜びの幅が広いのだ。トップを下ろして、カーオーディオで音楽を聴きながら、景色のいい道を流すように走っても楽しみが大きい。911シリーズに属する超高性能スポーツカーという点でGT3とターボ カブリオレは共通するが、楽しみと喜びは正反対というくらい違っている。どっちも魅力的で欲しくなるが、どっちもポルシェであることもまた間違いない。
[新境地を切り開く「タルガ4」試乗レポート・・・次ページへ続く]
Porsche 911 Turbo Cabriolet(ターボカブリオレ) 主要諸元
全長x全幅x全高:4505x1880x1295mm/ホイールベース:2450mm/車両重量:1670kg/乗車定員:4名/駆動方式:リアエンジン4輪駆動/エンジン種類:水平対向6気筒 24V ツインターボ 直噴 ガソリンエンジン/総排気量:3799cc/最高出力:520ps(383kW)/6000-6500rpm/最大トルク:660N・m/1950-5000rpm/トランスミッション:7速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング:デュアルクラッチトランスミッション)/燃料消費率:10.1km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:(前)245/35 ZR20(後)305/30 ZR20/最高速度:315km/h/0-100km/h加速:3.5秒/車両本体価格:23,600,000円[消費税込み]
※試乗・撮影車[ボディカラー:レーシングイエロー/ブルー(ソフトトップ)]には、「ブラック/プラチナグレー(2トーンレザーインテリア)」109,000円/「電動可倒式ドアミラー」55,000円/「スポーツクロノパッケージ」826,000円/「カラークレスト ホイールセンターキャップ」30,000円/「シートベンチレーション」193,000円/「フロアマット」33,000円等のオプションを装着。
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