「本気のグランツーリスモ」プジョー 508/508SW GT BlueHDi(クリーンディーゼル) 試乗レポート(3/4)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:小林岳夫
節度をわきまえた上質さ
今回乗ったのはセダン。2014年にマイナーチェンジを受けているとはいえ、デビューから6年を迎えるけれど、プロポーションは相変わらず美しい。しかもキャビンはこのクラスのセダンとしては、依然として広い。後席は身長170㎝の僕なら足が組めるほどだ。
今となってはシンプルなインパネは、過剰な装飾はカッコ悪いというフランス流センスが現れた結果と言えるし、メーターもスイッチも煩雑な隣国のライバルより、安全性でも上だと断言できる。GTであることを示す赤いステッチも控えめで、節度をわきまえているなあと感心する。
6速ATとのマッチングもよく、低速から扱いやすいターボディーゼルエンジン
プジョー 508 GT BlueHDiのエンジンは、アイドリングでこそディーゼルであることを伝えてくるものの、走り出すと良い意味でそれを感じない。エンジンやサスペンションの変更によって、車両重量はセダンで1650㎏と、ガソリン車より100㎏以上重い。でも最大トルクが40㎏m超えだから、力不足などあろうはずがない。
それ以上に感心したのは扱いやすさ。最大トルクの発生回転数よりさらに下、1500rpmあたりからもスルスル加速していけるという柔軟性がありがたい。プジョーのディーゼル経験の豊富さを実感する。組み合わせられるトランスミッションがトルコン式ATであることも、滑らかさに貢献している。
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