DESIGNER'S ROOM vol.3 NISSAN SKYLINE CROSSOVER 渡辺誠二(3/4)
- 筆者: マリオ 二等兵
- カメラマン:島村栄二
渡辺さんぐらいのお立場だと、かなりたくさんの部下を指揮されているんでしょうね。
私はプロダクト・チーフデザイナーという立場なのですが、今では同時に3~4車分のプロジェクトを担当しています。
それぞれにエクステリアデザイナー、インテリアデザイナー、カラーデザイナーがいて、そして製品のクオリティを見ていくグループやモデリンググループがいて、さらにはプロモーション用のさまざまな企画や、データ作成にも関わっていきます。
1つのグループの中でそれぞれ違うファンクションをもった、たくさんの人たちと関わり合いながらデザインを統括しています。
どこまでがデザイナーと呼べる仕事の範疇なのか、という疑問を抱く方もいるくらいデザインという仕事を幅広く捉えています。
最近ではスカイラインクロスオーバー以外にどの車種を担当されたのでしょうか?
去年の11月に発表した2代目キューブ、今年の3月のジュネーブショーで発表したコンセプトカーのカザーナ、もうひとつは・・・今は申し上げられないのですが、新しく進行中のもあります(笑)。
素朴な質問ですが、デザイナーとして入社されてから、最初に担当したのはどんな仕事だったのですか?
入社したのは1987年で、最初に担当したクルマはブルーバードでした。9代目のU13系です。
尻下がりのフォルムをまとったデザインで、当時としては画期的で、入社するなり、すごくビックリさせられましたね。こんなクルマが世の中に出るのか!という感じで。(笑)
当時はCADなどなかったので、すべて手描きで図面を書いたり。そんな仕事から始めましたね。
デザイナーを志す動機は何だったのですか?
大学生の時から工業デザイナーになりたかったのですが、数ある工業製品の中でも、様々な機能があって、強く趣味性に訴えるものであるクルマを選びました。
街を走るクルマは不特定多数の人の目に触れるし、外装だけでなくインテリアがあり、さらにインテリアの中にも革があって樹脂があってと、究極のインダストリアルデザインが求められるので、デザイナーを志す者にとっては、いわば究極の仕事だと思ったのです。
たとえばキューブなんて、クルマのことをまったく知らない子供やお年寄りでも、デザインが面白ければ注目して喜んでくれるわけですよ。
まったく関わりのない人たちと、自分がデザインしたクルマを通してコミュニケーションをとることができる、という所に強く惹かれました。
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