新型軽EVサクラはパワフルで安定した走行フィールにより軽自動車の枠を超えた! 電力消費を抑える工夫も凝らした日産珠玉の1台だ

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日産は2010年に初代(先代)リーフを投入した電気自動車の老舗的なメーカーだ。2022年5月20日(金)、日産 アリアに続いて、軽自動車サイズの新型サクラを発表した。

今回、新型サクラを日産のテストコースで試乗した。その際に感じた運転フィールを紹介しよう。

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  1. 最大トルクは2リッターエンジンに相当するパワフルさ!
  2. 床下にリチウムイオン電池を配置したことで安定感が高まっている
  3. 乗り心地はコンパクトカーと同等以上! 電気自動車らしい使い方をするなら満足できる性能だ

最大トルクは2リッターエンジンに相当するパワフルさ!

日産では「納車を伴う発売は2022年夏ごろ」としているが、販売店は「納期などの詳細は現時点では分からない」という。期待が高まる新型モデルの走行性能はどうなのだろうか。

まずは新型サクラのスペックから紹介したい。モーターは最高出力が47kW(64馬力)、最大トルクは195Nm(19.9kg-m)だ。モーターの動力性能はエンジンと直接比較できないが、最大トルクの数値は2リッターのガソリンエンジンに相当する。

発進時にアクセルペダルを軽く踏むと、その直後に駆動力が力強く沸き上がった。モーターのみの駆動で、遮音も入念に行われているため、走行音はきわめて小さい。

アクセルペダルを踏み増すと、直線的に速度を高めていく。エンジンは回転数を上昇させるにつれて駆動力も増していくが、モーターはアクセルペダルを踏み増すと、高い性能を一気に発揮できる。

そのために巡航中に登り坂に差しかかった際、または追い越しをする時も十分な余裕がある。軽自動車ではあるが、電気自動車ならではの力強い加速感が得られるのは魅力的だ。

ATレバーの右脇には、eペダルのスイッチが備わり、ステアリングホイールの下側でドライブモードも切り替えられる。まずeペダルのスイッチを入れると、アクセルペダルを戻すと同時に、減速エネルギーを使った発電と充電が積極的に開始される。この時には強い減速も行われ、アクセル操作だけで、速度を自由に調節することが可能だ。

ドライブモードには、スタンダード/エコ/スポーツの3種類がある。エコモードでは電力消費量が節約され、スポーツモードでは機敏な運転を楽しめる。

開発者によると「混雑して加減速が頻繁に行われる街中ではeペダルを使う。交通量の少ないバイパスや高速道路では、eペダルを解除してエコモードで走ると、電力消費量を効果的に節約できる」という。

eペダルを解除すると、アクセルペダルを戻しても惰性で走るコースティングが行われ、加減速が少ない時は、この走り方の方が電力消費量を抑えられるからだ。eペダルを戻した時の回生発電では、ロスも生じるが、コースティングなら速度を温存できる。

そこでコースティングを実際に試すと、アクセルペダルを戻しても、あまり速度が低下しない。惰性で滑らかに走り続ける。今はエンジンを搭載する普通のクルマを含めて、走行時の抵抗を減らす技術が進化したため、惰性で走る時の速度低下も抑えられるのだ。

床下にリチウムイオン電池を配置したことで安定感が高まっている

新型サクラが搭載する駆動用リチウムイオン電池の容量は20kWhだが、1回の充電により、WLTCモードで180kmを走ることが可能だ。

リーフの40kWh仕様は、電池容量は新型サクラの2倍だが、走行可能な距離は322kmだ。1.8倍で2倍には達しない。つまり新型サクラは、同じ電気自動車の日産 リーフよりも燃費性能に相当する電費が優れている。

新型サクラの運転感覚には、モーターの滑らかな加速以外にも特徴がある。まずカーブに入るためにステアリングホイールを回し始めた時の反応が正確だ。車両の向きが適度に機敏に変わる。

一般的には、全高が1600mmを超える軽自動車に新型サクラのような操舵感覚を与えると、走行安定性に悪影響が生じてしまう。そこで反応をあえて鈍く抑えて対処するが、新型サクラは機敏に進行方向を変えても、車両の挙動が不安定にならない。

その理由は床下にリチウムイオン電池を搭載して重心が下がり、なおかつ電池の設置に伴ってボディ下側を補強したからだ。そのために新型サクラの車両重量は1トンを上まわり、新型サクラ同様、軽自動車である日産 デイズに比べて200kg以上重いのに、走行安定性は十分に高い。

乗り心地はコンパクトカーと同等以上! 電気自動車らしい使い方をするなら満足できる性能だ

新型サクラの走りで欠点を挙げるなら、峠道のようなカーブで、少し曲がりにくく感じることだ。前述の通り新型サクラはボディが重く、14インチタイヤは指定空気圧を含めてデイズと同じ設定になる。走行安定性を確保するために後輪の接地性を高めたから、峠道では前輪のグリップ力が負けて、軽快感も乏しい。

それでも電気自動車の使われ方を考えると、新型サクラの運転感覚はバランスが取れている。カーブを曲がる時にはボディが大きめに傾くが、剛性を高めたことで挙動の変化は穏やかであるためドライバーも不安を感じにくい。

足まわりが柔軟に伸縮するため、乗り心地も快適だ。時速40km以下で荒れた路面を走ると、少し硬めに感じるが、大きな段差を乗り越えた時の粗さは抑えた。この乗り心地は、コンパクトカーと同等か、それ以上の水準になる。

この運転感覚と乗り心地は、新型サクラの位置付けにも関係している。次回の記事では日産における新型サクラの位置付け、そして内外装やグレードについて触れていこう。

【筆者:渡辺 陽一郎】

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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