日産 次世代EVの新型リーフ 2017年9月正式デビューへ!米テスラへ対抗か(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
アメリカ発のニュースで新型“リーフ(LEAF)”デビューを正式発表
日産の北米法人は3月9日、EV(電気自動車)に関する公式ツイッターで「新型リーフ(LEAF)が今年9月に世界デビューし、今年末に発売を開始する」と発表した。
https://twitter.com/NissanEVnewsUS
これを受けて、アメリカの自動車関連ウェブサイトでは、アメリカにおけるEV市場の今後を占う様々な記事が出ている。
アメリカ市場では、昨年から乗用車が売れない状況が続いており、その流れは今年になっても続いている。トヨタ新型“カムリ”、ホンダ“アコード”など、アメリカのセールスボリュームを担うミッドサイズ乗用車は1~2月の累計で前年同期比17.5%減と大幅な落ち込み。
一方で、大型SUVなどライトトラック分野は売り上げ増となる展開だ。これはガソリン価格が1ガロンあたり2ドル強(リッターあたり70円程度)で安定しているため、顧客のエコカー意識が上がらず、ハイブリッド車よりもデッカイSUVを選ぶ人が増えているのだ。
EVについては、テスラ モデルS/モデルX、日産リーフ、そしてGMボルトが量産されているが、テスラをファッション感覚で所有する富裕層が中核であり、一般乗用車として“リーフ”や“ボルト”を購入する人が多い訳ではない。
そうしたなか、このタイミングで日産が半年先の新型リーフ発表タイミングをアメリカ発で公開した裏には、2つの理由があると、筆者は考える。
ZEV法とテスラ モデル3
まずは、ZEV法(ゼロ・エミッション・ヴィークル規制法)への対応だ。米国・カリフォルニア州環境局が定めるEVやFCV(燃料電池車)等の電動車の普及を目指す法律で、2017年夏に発売される2018年モデルから、ZEV法が一部改正させる。
これを受けて、これまでZEV法の対象だった、デトロイト3(GM、フォード、FCA)と、日系ビック3(トヨタ、日産、ホンダ)以外に、ジャーマン3(ダイムラー、BMW、VW)や韓国ヒュンダイ・KIA、そしてマツダ、スバルなど多くの自動車メーカーがEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)を北米市場に一気に投入する。
日産としてはこれからも、ZEV対応の筆頭をEVのリーフとしているため、カリフォルニア州環境局から日産に課せられたZEVの販売台数をクリアするために、競合車が増える2017年にリーフのフルモデルチェンジを合わせたと考えられる。
もうひとつの理由は、テスラ モデル3への対抗策だ。各メーカーからEVが出るのは、あくまでもZEV対応であり、本気でEV市場を拡大しようと考えているのは、現時点ではテスラと日産の2社のみ。
VWがEV拡大戦略とうたっているのは、あくまでも排気ガス規制違反による企業のマイナスイメージ刷新が主な目的であり、本格的なEV量産にはまだ時間がかかる。
となると、EVの販売ボリュームゾーンは当面、『モデル3』と『リーフ』が担うことになる。よって、モデル3の量産が始まる今年後半を意識して、日産リーフも新型投入となるのが妥当だ。
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