購入困難なフェアレディZの代わりとなる車種は? 納期の早い輸入車2選

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:堤 晋一/日産自動車/トヨタ自動車/本田技研工業/ビー・エム・ダブリュー/シボレージャパン
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日産 フェアレディZは長い歴史を誇る国産スポーツカーですが、2022年に登場した現行モデルは高い人気と生産規模の制約から現在でも購入が難しい状況です。

この記事ではフェアレディZの特徴や現在の納期、受注状況をカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが解説。あわせて、代わりの車となり得る国産スポーツカー3車種についてや、代わりの車としておすすめな輸入スポーツカー2車種をご紹介します。

目次[開く][閉じる]
  1. 日産 フェアレディZとは?
  2. 2022年に登場したフェアレディZは購入しにくい車の代表格だった
  3. フェアレディZの代わりの国産車は存在する?
  4. フェアレディZの代わりにおすすめの輸入スポーツカー2選
  5. まとめ

日産 フェアレディZとは?

日本で最も歴史の長いスポーツカーである日産 フェアレディZは、1969年に初代モデルが登場して以来、国内外で人気を博してきました。

特に1989年発売の4代目は、280馬力を誇る3.0L V6ツインターボエンジンを搭載し、15年間にわたりハイパワーな国産車として市場を牽引しました。

2022年に登場したフェアレディZは購入しにくい車の代表格だった

2022年に発売されたフェアレディZは、初代を彷彿とさせるデザインを採用し、発表当初から高い注目を集めました。

現行フェアレディZには3.0L V6ツインターボエンジンが搭載されており、最高出力405馬力、最大トルク475Nmを発揮します。

価格は上級グレードの「バージョンST」は675万9500円で、生粋の後輪駆動(FR)スポーツカーとして注目されています。

また、上位モデル「フェアレディZ NISMO(ニスモ)」では、3.0L V6ツインターボエンジンにNISMO専用チューニングが施され、最高出力420馬力、最大トルク520Nmまで強化。サスペンションやブレーキも専用設計となっています。

フェアレディZの現在の受注状況は店舗による

しかし、フェアレディZの2023年の登録台数は1000台強、1か月平均90台に留まり、街中で見かける機会は少ないです。

その背景には、生産規模の小ささや人気の高まりによる受注停止があります。

2024年11月下旬に販売店へフェアレディZの受注状況について尋ねると、以下のように返答されました。

「以前のフェアレディZは、発売直後に受注した車両の生産に追われていましたが、そろそろ納車が完了しそうです。そこで新たに受注を開始しましたが、販売会社によって状況が違います。各販売会社に対する割り当て台数が決まっていて、そこに達すると、受注が終了したり抽選になります。タイミングが重要です」。

そのほか複数の販売会社にフェアレディZについて尋ねると「まだ受注しています」と回答するところもあれば、「すでに締め切って次の受注は4か月先です」など、返答はさまざまでした。

近隣の店舗だけではなく、隣県の販売店などにも確認することで購入の可能性が広がりそうです。

また受注を終了した販売店からは「フェアレディZが欲しいなら、あらかじめ販売店に出向き、購入の意思を伝えておくと良いです。そうすれば受注を再開した時に連絡をもらえます。受注を停止していても、順番待ちができています」と説明されました。

このようにフェアレディZは、以前に比べると購入しやすいですが、受注状況は不安定です。

以前から「フェアレディZは購入しにくい」と言われていましたが、受注が再開されたというニュースが広がると、今後は購入希望者が再び増えて納期が長引いたり、受注が滞る可能性もあります。

フェアレディZの代わりの国産車は存在する?

そこでフェアレディZの代わりに購入できるスポーツカーを考えてみましょう。

まず国産スポーツカーで選択肢に挙がるのは、トヨタ スープラと日産 GT-R、ホンダ シビックタイプRの3車種です。

トヨタ スープラは購入しにくい

フェアレディZの代わりになり得る国産スポーツカーの筆頭としてはトヨタ スープラが挙げられます。

スープラの最上級グレードにあたる「RZ」は3.0L 直6ターボエンジンを搭載しており、最高出力は387馬力、最大トルクは500Nmです。

ただし現行スープラはBMW Z4と基本部分が共通化されており、開発もBMWを中心に行われました。

そのため、方向指示機の操作レバーも他の輸入車と同様に左側に装着されています。

生産は少量生産車の受託生産を行うマグナ・シュタイヤー社と海外生産であるため、スープラは価格が高く、フェアレディZと同等の性能を備えたRZは731万3000円に達します。

またスープラは、2024年11月にファイナルエディションの投入を発表しました。最高出力を435馬力、最大トルクを570Nmに高めた仕様で、文字通りスープラの最終型です。発売時期と価格は未定です。

このタイミングでスープラはRZやSZといった一般グレードにも一部改良が施され、最終型に進化しますが、価格は判明しているものの発売時期は「2025年春以降」と曖昧です。このようにスープラも購入しにくく、フェアレディZの代わりとはならない状態です。

日産 GT-Rやホンダ シビックタイプRも受注が不定期、停止している

このほか日産 GT-Rの受注も不定期で購入しにくいです。

また、ホンダ シビックタイプRは2024年11月下旬時点で受注が停止しています。

このように国産スポーツカーは、全般的に購入が難しくなっています。

フェアレディZの代わりにおすすめの輸入スポーツカー2選

国産スポーツカーの購入が難しい状況が続く中、フェアレディZの代替として選べる車種は輸入車になります。しかし、海外でもスポーツカーのラインナップは減少しています。

フェアレディZと同等の価格帯に位置し、なおかつ日本で購入可能な輸入スポーツカーは少ないです。

BMW 2シリーズクーペ

フェアレディZの代わりとして注目される輸入スポーツカーとして、BMW 2シリーズクーペが挙げられます。

2シリーズにはコンパクトな印象がありますが、現在の2シリーズクーペのボディサイズは全長4560mm、全幅1825mm、全高1405mmと、フェアレディZよりも大きいです。

車種全長全幅全高ホイールベース
フェアレディZ

4380mm

1845mm

1315mm

2550mm

2シリーズクーペ

4560mm

1825mm

1405mm

2740mm

2シリーズクーペの推奨グレードは「M240i xDriveクーペ」で、3.0L 直6ターボエンジンが搭載されています。最高出力は387馬力、最大トルクは500Nmなので、動力性能はフェアレディZと同程度です。

車種エンジン最高出力最大トルク
フェアレディZ

3.0L V6ターボ

405馬力

475Nm

2シリーズクーペ

3.0L 直6ターボ

387馬力

500Nm

2シリーズクーペにはコンパクトな後席が備わり、長距離移動でなければ4名乗車も可能です。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2740mmで、フェアレディZよりも190mm長いため、直進安定性も優れています。

つまり高速道路を使った長距離移動などセダンに近い使い方も視野に入れるなら2シリーズクーペを検討しても良いでしょう。

2シリーズ M240i xDriveクーペの価格は806万円なので、フェアレディZ バージョンSTの675万9500円に比べると、約130万円高いです。

2シリーズ M240i xDriveクーペの納期を販売店に尋ねると「すぐに納車できる在庫車もあり、仮に欲しいタイプがなくても6か月あれば登録できます」とのことです。

このように、フェアレディZやスープラなどに比べると購入しやすいです。

シボレー カマロ

アメリカ車のシボレ ーカマロもフェアレディZのライバルと言えます。

カマロの外観もフェアレディZと同様、初代や2代目を連想させるクラシックなデザインです。

一方で、現行カマロのボディサイズは全長4785mm、全幅1900mm、全高1345〜1350mmなので、フェアレディZに比べてかなり大きいです。

車種全長全幅全高ホイールベース
フェアレディZ

4380mm

1845mm

1315mm

2550mm

カマロ

4785mm

1900mm

1345mm

2810mm

※カマロ コンバーチブルのみ全高1350mm。

カマロはエンジンを縦置きにした後輪駆動車らしく、前輪とフロントウィンドウやピラー(柱)の間隔が開いており、ボンネットも長いです。

カマロのエンジンには2種類が用意され、3つのグレードが展開されています。

「クーペLT RS」「コンバーチブル」のグレードには2.0L 直4ターボが設定されていますが、フェアレディZのライバルとしてはパワーが物足りないでしょう。

フェアレディZの代わりの車とするなら、「クーペSS」に搭載されている6.2L V8エンジンが欲しいです。

車種エンジン最高出力最大トルク
フェアレディZ

3.0L V6ターボ

405馬力

475Nm

クーペSS

6.2L V8

453馬力

617Nm

クーペLT RS
コンバーチブル

2.0L 直4ターボ

275馬力

400Nm

カマロ クーペSSに採用される6.2L V8エンジンは、大排気量エンジンらしくターボを装着せずに、最高出力は453馬力、最大トルクは617Nmと強力です。

カマロのV8エンジンの豪快な加速感は、運転感覚が緻密なフェアレディZとは異なる魅力を備えています。

カマロの価格は、6.2L V8エンジンの「クーペSS」が880万円、2.0L 直4ターボの「クーペLT RS」は668万円です。

フェアレディZ バージョンSTに価格が近いグレードはクーペLT RSですが、アメリカ車のカマロに乗るならV8エンジンのクーペSSでしょう。

ただし、カマロは2024年12月時点では在庫販売のみとなっています。興味のある方は近隣の販売店に問い合わせてください。

まとめ

フェアレディZは店舗によって状況が異なり、今でも購入しにくいスポーツカーと言えます。

しかし、フェアレディZの代わりとなる国産スポーツカーも、いずれも納期や受注状況が安定せず、すぐに購入することが難しい車種が多いです。

一方で、輸入車のスポーツカーは価格が高いですが、個性が豊かで魅力的な車種がそろっています。

今回ご紹介したBMW 2シリーズクーペやシボレー カマロはフェアレディZのライバルになり得る価格やスペックなので、フェアレディZを購入しにくい時には検討してみると良いでしょう。

【筆者:渡辺 陽一郎/カメラマン:堤 晋一/日産自動車/トヨタ自動車/本田技研工業/ビー・エム・ダブリュー/シボレージャパン】

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筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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