いよいよ2022年6月に登場予定の新型フェアレディZ最新情報! 先代と変わったところはデザインだけではなかった!
- 筆者: 工藤 貴宏
- カメラマン:佐藤 正巳/日産自動車
2022年1月に開催された東京オートサロン2022で日本仕様が公開された新型フェアレディZ。前回の記事にもあったように、工藤貴宏さん自身も自動車ライターというよりひとりのクルマ好きとして注目している、つまり本気で欲しいと思っている車種である。
そんな個人的な想いもあって、東京オートサロン2022では舐めまわすように実車をチェック。内外装に新しい技術がふんだんに用いられていることがわかった。
そこで確認できたことを踏まえて今回は、新型フェアレディZに関して「新しくなった部分」をお伝えしよう。
デザインは過去モデルをリスペクトした最新のもの!
新しくなっているポイントに関する注目のひとつは、なんといってもデザインだ。車体そのものは従来モデルの基本設計を継承しているが、前後のデザインは完全に新しくなっている。
フロントは初代「S30Z」、一方テールランプは4代目の「Z34」と過去のフェアレディZへのリスペクトを感じさせるデザインとなっているのがポイントだ。
そしてもうひとつの大きな変更点がパワートレイン。エンジンだ。従来と同じV6ではあるが、これまでは排気量3.7リッターの自然吸気とした「HQ37VHR」だったのに対し、新型は排気量3.0リッターとしてターボを備える「VR30DDTT」。そう、フェアレディZにターボエンジンが帰ってくるのだ。
驚くのはそのパワー。最高出力は405馬力で、フェアレディZ歴代最強となる。すなわち新しいフェアレディZは、史上最も速いZなのだ。
トランスミッションはマニュアルトランスミッション(MT)が6速と従来通り(とはいえギヤボックス自体はエンジンのトルクアップに対応して強化されている)だが、ATはこれまでの7速から9速へと多段化。2ペダル派にとってはこの進化も大きい。
インテリアはデジタルディスプレイやステアリングも一新!
インテリアを見ると、ダッシュボードが新デザインとなったことで印象は従来モデルと大きく異なる。上部中央にはアナログの3連メーターを継承する一方、メーターパネルは12.3インチのデジタルディスプレイとなり一気に先進的な印象に。
メーター表示テーマは3タイプに切り替えでき、大型タコメーターを中央に配置したスポーツ表示が特徴的だ。
また、センターには9インチと大画面のディスプレイが組み込まれている。
コックピットまわりを細かくみていくと、従来は油温計、電圧計、そしてデジタル時計だったインパネ上の3連メーターは、新型ではブースト計、ターボ回転計、そして電圧計になっている。ターボ回転計とは珍しいが、これはタービンの回転数を示すものだ。
ステアリングのスポーク部分に備わるスイッチも新しいし、日産車としてこれまで見たことがないタイプ。
全面を光沢ブラックとしてイグニッションを入れた時だけ表示が光るタイプ(フォルクスワーゲン 新型ゴルフGTIなどと同じ)で、左側がオーディオ&メーター表示切替、クルーズコントロールが中心となる右側には車間調整スイッチが組み込まれているところを見れば、ACCが搭載されると判断できる。ACCも従来型のフェアレディZにはなかったアイテムだ。
AT車にパドルが組み込まれるのは従来と同じだが、金属製の大型パドルがステアリングコラムから生えていた従来に対して、新型は樹脂製でステアリングスポーク裏の固定。つまりハンドルの回転とパドルの位置が同調する方式に変わっている。ハンドルといえば、従来はなかった前後調整機能(テレスコピック)が組み込まれるのは朗報だ。
またAT車は、一般的なタイプだったシフトセレクターが新型では電子式となっている。意匠は若干異なるが、現行「ノート」から採用がはじまった箱状のセレクターを前後にスライドする日産独自のタイプだ。
そのほかインテリアは、ドアトリムやセンターコンソールの形状も、従来型と同じように見えるが見比べると新しい意匠となっているのが分かる。
先進安全装備も充実! ACCで長距離運転もラクラクに
見えない部分として新しいのはやはり、先進安全機能の搭載だろう。時代の要求である衝突被害軽減ブレーキなどが、ついに組み込まれるのである。
新型をチェックしてみると、フロントウインドウ中央上部にカメラが、フロントバンパー開口部の中央下部にはミリ波レーダーが組み込まれているのがわかる。安全性が高まるとともに、ACCにより長距離移動での疲労を軽減してくれるのは従来モデルに対する大きなアドバンテージだ。
これらが新型フェアレディZの変わったところだ。14年ぶりのフルモデルチェンジとあって、技術も進歩し、かなり変化したことが分かる。次回はあえて変わっていないところも紹介していきたい。
【筆者:工藤 貴宏 カメラマン:佐藤 正巳/日産自動車】
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