新車の格付け、ダイハツが昨年に続き総合No.1|国際的格付け会社が初期品質を調査

新車の不具合を8分野233項目で細かく調査

顧客満足度に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパンは、2019年日本自動車初期品質調査(Initial Quality Study、略称IQS)の結果を発表した。

本調査では新車購入後2~9ヶ月経過したユーザーを対象に、外装や走行性能など計8分野233項目でユーザーの不具合経験を聴取している。すべての不具合項目は車100台当たりの不具合指摘件数として集計され、数値が低いほど品質が高いことを示す。

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J.D. パワー 2019年日本自動車初期品質調査の総合ランキング

ブランドランキング トップ15

■1位(総合第1位):ダイハツ (58)

■2位(ラグジュアリーブランド第1位):レクサス (60)

■3位:トヨタ(62)

■4位:ホンダ(66)

■5位:スズキ(67)

■6位:日産(69)

■7位:三菱(70)

■8位:マツダ(80)

■9位(同率):BMW(84)/メルセデス・ベンツ(84)

■11位:アウディ(86)

■12位:スバル(87)

■13位:MINI(98)

■14位:ボルボ(98)

■15位:フォルクスワーゲン(115)

※()内の数値が低いほど品質が高い

セグメント別:軽自動車 トップ3

■1位(同率):ダイハツ キャスト/ミラ トコット

■2位:ホンダ N-WGN

■3位:スズキ スペーシア

セグメント別:コンパクト トップ3

■1位:トヨタ アクア

■2位:トヨタ パッソ

■3位:ダイハツ トール

セグメント別:ミッドサイズ トップ3

■1位:日産 リーフ

■2位:ホンダ ヴェゼル

■3位:トヨタ カローラ

セグメント別:ミニバン トップ3

■1位:ホンダ ステップワゴン

■2位:トヨタ エスクァイア

■3位:ホンダ フリード

業界平均の不具合レベルは前年と同水準

一部モデルで過去最少の不具合指摘数

総合不具合指摘件数は66、前年の67と同水準である。分野別詳細項目別にも大きな変化はみられない。

セグメント別では、ミッドサイズセグメントのスコアが79から75に4ポイント改善した。使いづらさ、わかりにくさといった設計品質の不具合がわずかに減少している。

ブランド別では、2018年、2019年とも調査対象となった15ブランドのうち、6ブランドで初期品質が改善した一方、8ブランドで初期品質が低下する結果となり、ブランドにより明暗が分かれる結果となった。

モデル別では、ダイハツのキャストとミラ トコットが32と、日本市場のJ.D. パワー調査で過去最も不具合指摘の少ないモデルとなった。ブランドやモデルによっては改善の取り組みが着実に成果として現れている。

自動車事故やトラブルの影響? 安全装備のニーズ高まる

価格が高くても安全なクルマがいい

各種装備の中でも「衝突回避/警告システム」、「車線逸脱警告システム(レーンキープアシスト)」、「パーキングアシストシステム(警告音/視覚センサー、カメラなど)」、「死角モニタリング/警告システム」の4種の先進安全装備率は継続的に高まっている。

4種の中では「衝突回避/警告システム」の装備率が最も高く、77.5%に達している。また、装備率の増加が目立つのは「車線逸脱警告システム(レーンキープアシスト)」で、2017年の48.5%から2019年の69.9%の21.4%増。次いで「パーキングアシストシステム(警告音/視覚センサー、カメラなど)」の65.0%(対2017年+14.5%ポイント)、「死角モニタリング/警告システム」の47.9%(対2017年+13.6%ポイント)と、いずれも普及が進んでいる。

「価格が高くても最新の安全装備のある車を購入したい」とするユーザーは2017年調査の65.0%から2019年調査では69.3%に増加しており、安全に関わる装備の普及、消費者のニーズはさらに高まっていると言える。

せっかくの装備も、操作性が悪いと逆効果

安全装備4種はいずれも装備ありの車両の方が装備なしよりも品質・信頼性評価が高いが、装備の操作性に不具合を感じた場合のユーザーの評価は、装備なしよりも低くなる。例えば「衝突回避/警告システム」の場合、装備車両の平均評価は7.75ポイント(10段階評価の平均)、非装備車両の平均評価は7.17ポイントだが、装備車両保有者の中で操作性に不具合を経験したユーザーの評価は6.54ポイントまで低下する。

また操作性に不具合を経験したユーザーの同メーカー再購入意向率は75.4%と、業界平均81.0%に比べても低い意向となる。

調査概要

年に1回、新車購入後2~9カ月のユーザーを対象に、所有する自動車の不具合経験についての評価を8分野233項目で聴取。自動車の初期品質に関するユーザー評価を明らかにする調査。今年で9回目の実施となる。

■実施期間:2019年5月~6月

■調査方法:インターネット

■調査対象:新車購入後2~9ヶ月経過したユーザー

■回答者数:2万1728人

■分野別8項目:「外装」「走行性能」「装備品/コントロール/ディスプレイ」「オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション(ACEN)」「シート」「空調」「内装」「エンジン/トランスミッション」

すべての不具合項目は車100台当たりの不具合指摘件数(Problems Per 100 vehicles = PP100)として集計され、数値が低いほど品質が高いことを示す。

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