衰えないキャンピングカー人気の動向を探る|優先順位は車両より”居住性”

キャンピングカー業界とユーザーの現状についての調査結果発表

一般社団法人日本RV協会は、2019年7月20日~同年7月21日に開催される「東京キャンピングカーショー2019」を前に、キャンピングカー業界の動向とユーザーの現状の調査を行った。

国内でのキャンピングカー保有台数は11万台を超え、業界全体の売上は458億円に達するなど販売総額は年々増加傾向にある。今回は関心度が高い仕様や装備にくわえ、レンタルキャンピングカーの特性など様々な調査結果が明らかになった。

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キャンピングカー需要は右肩上がり

保有台数はついに11万台を突破

日本におけるキャンピングカーの保有台数はついに11万2500台となった。過去の数字をかいつまんで見ていくと、2005年が5万台、2011年が7万5600台、そして2016年には10万の大台を突破した。

出荷台数も増加

次に2018年、各工場から出荷されたのキャンピングカーの台数を見てみると、8ナンバー以外が1896台で1位、次いでバンを改造(コンバージョン)した”バンコン”が1863台、キャブコンが1653台と続く。

トータルでは5637台となり、2017年と同様5000台の中盤をキープしている。

また軽ベース車両も年を追うごとに増加傾向にあり、1300台目前となっている。

保有台数は完全なる右肩上がり、出荷台数もほぼ右肩上がりと、これらの数字が実証するように、キャンピングカー人気は衰えを見せていない。

販売総額は年々増加、2018年は約458億円

出荷台数と同様、キャンピングカーの販売総額も年々増加傾向を示している。2018年は約458億円で、2017年に比べ約33億円増となっている。もちろんこれは過去最高の金額で、かつ連続記録更新中だ。新車に限って見ていくと、8ナンバー/8ナンバー以外とも2017年に比べて増加している。

優先順位は車両より”居住性”へと変化

もっとも欲しい装備は?

ユーザーの関心度が高いキャンピングカーの装備は何だろうか。

2017年のベスト5は、1位がFFヒーター、2位がソーラーパネルチャージャー、次いで冷蔵庫、インバーター、テレビが続く。これに対し2018年は、1位がFFヒーター、2位がソーラーパネルチャージャー、次いでインバーター、冷蔵庫、テレビと数字的にも大差はなくほぼ同じ結果となった。

キャンピングカーの最大の強みの1つは、FFヒーターさえ装備していれば冬でも快適にクルマ旅が堪能できるということだ。この結果から、実際に多くのキャンパーがそれを実践しているのが伺える。

また冷蔵庫やテレビ、100Vに変換してくれるインバーターなど、自宅同様に家電を使いたいというのが一般的な望みだ。そのための電力確保として近年注目されているのがソーラーシステムの導入。その性能は年々アップしており、今後も人気が高まっていくと予想される。

仕様でもっとも関心があるのは「居住空間」

次に、ユーザーの関心度が高いと思われる車両や仕様等について見てみよう。

2017年のベスト5は、1位がベース車両、2位が居住空間、次いで走行性、外観、燃費・ブランドであった。これに対し2018年は、1位が居住空間、2位がベース車両、次いで燃費、走行性、断熱性という結果となった。

こちらは装備と違って、1位と2位で逆転が見られた。

クルマ自体の性能や運転のしやすさ、走行性についてはもちろんだが、居住空間の広さや過ごしやすさ、あるいは燃費など、キャンピングカーライフを送る上でより実質的な部分に大きな関心を示しているのが分かる。「キャンピングカー=家」という感覚がより鮮明になってきているのではないだろうか。

レンタルも好調、課題は初心者レクチャー

レンタルキャンピングカー事業はますます増大する!?

近年のキャンピング業界で話題となっている事柄のひとつが「レンタルキャンピングカー」だ。

ここ数年のキャンピングカーショーの増加や出荷台数の増加など、キャンピングカーへの関心の高まりが影響し、レンタル事業の運営が増えつつある。

また訪日外客数の増加も後押ししていると考えられる。日本政府観光局によると2016年は約2400万人、2017年は約2870万人だった。2020年は東京オリンピックの開催で、3000万人以上となるのは確実といえるだろう。迎え入れるホテルの数が足りないということでさまざまな対策がとられているが、レンタルキャンピングカーもその対策のひとつとして重要案件と言えるだろう。

キャンピングカーならではのレンタカーの課題は?

ますます需要が増えそうなレンタルキャンピングカーだが、問題や課題はないのだろうか?

レンタル事業者に現在解決したい課題を聞いたところ、業界全体での課題としてレンタルできることの認知拡大や訪日観光客強化があげられた。

また現場での課題としては、車両破損の対応や直前のキャンセルなどにくわえ、初めて運転する人が多いため安全な運転方法や装備類の使い方のレクチャー、スタッフ対応と確保、さらにモラルやマナーの指導などがあげられた。どこでも寝られるからと言って、どこで宿泊してもいいということではない。RVパークやキャンプ場などの安全・安心な場所での宿泊が、より楽しいキャンピングカーライフの要と言えるだろう。

キャンピングカー業界調査の概要

■調査対象:日本RV協会会員のキャンピングカーメーカーおよび販社109社(回収102社、回収率93.6%)

■調査方法:アンケート用紙を郵送し、返信を日本RV協会事務局が委託した調査機関にて集計

■調査項目:35項目

■調査期間:2018年1月~12月

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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