スバル、ニュル24時間レース&スーパーGTマシンをシェイクダウン

スバルとスバルテクニカインターナショナル(STI)は、2018年2月22日に富士スピードウェイにて、本年のニュルブルクリンク24時間レースに出場するSUBARU WRX STI、および、スーパーGTシリーズに参戦するSUBARU BRZ GT300のシェイクダウンを行った。

15時からは走行テストが組まれていたが、あいにく雪が降り始めたため、BRZ GT300車両は早々に走行を中断。一方AWD車両で、ニュルブルクリンク24時間レースのさまざまな気象や路面状況に合わせていく必要のあるWRX STIは山内選手、井口選手の順に走行した。

また、この日から現場研修が始まった今年のスバルディーラーメカニック達も参加してピットワークトレーニングを繰り返し、シェイクダウンを終了した。

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ニュルブルクリンク24時間レース

ニュル24時間は、STIの辰己英治氏がマシンの開発指揮とチームの総監督を務めることになり、特にエキゾーストレイアウトの見直しやターボの効き最適化によるエンジン性能の向上、マスターバック廃止とフロントブレーキ径拡大による制動性能の向上、空力パーツのアップデートなど、昨年モデルに投入した技術をベースに改良を施した部分の解説が行われた。

辰己総監督は、「このクルマの育成という点では、2018年1月には開発途上の段階で国内テストを開始しており、山内や今年からニュル24時間チームにも加わる井口にも乗ってもらっていますが、ドライブフィーリング的には良い感触を得ています。特に初めてAWDレースカーをドライブした井口からも"乗りやすくて快適"というコメントが得られており、すでに速いタイムで走っています」と語った。

また、今回のシェイクダウンについては、「あいにく十分走れず、細かいセッティングの域にまではまだ達しませんでした。しかし、ディーラーメカの皆さんとSTIエンジニアのコミュニケーションを含め、チーム内の意思疎通がスムーズに行えたことは収穫だったと思います。今年の私のテーマは、"人間力でニュルに挑む"なので、ここまでは良い雰囲気づくりができています。また、ファンの皆様の応援がチームの人間力に大いに寄与するのは間違いないので、是非とも強力なサポートをお願いします」と語り、順調な滑り出しに満足げな表情を見せていた。

スーパーGT GT300クラス

2018年モデルのGT300マシンは、燃焼室形状やヘッド部分の冷却性能などパワーユニットの設計変更を行ったほか、ブレーキ性能の見直し、サスペンションの改良による接地効率改善、エアロパーツのアップデートなどが施されている。

R&Dスポーツとジョイントで運営するスーパーGTチームのプロジェクトゼネラルマネージャー(PGM)に就任したSTIの渋谷真氏は、「昨シーズンはなかなか良いところがお見せできませんでしたが、車両の開発・育成、チーム運営などを見直し、良いシーズンにしたいと思います」と抱負を述べた。

また、今回のシェイクダウンについては、「気温が上がらず、午前のテスト走行では、そのコンディションに合わせた適合を試していました。その作業が80%位終わったところで午後の走行時間を待ちましたが、残念なことに路面状況が悪化したため、ダウンフォースによるグリップが得られないことがわかったので、走行は中断となりました。まだ今年のモデルは転がり始めた段階にすぎませんが、ドライバーからはネガティブなコメントはなかったので、ホッとしています」と語っていた。

今後のスケジュール

この後、いくつかのプライベートテストを経て、スーパーGT車両は3月に岡山国際と富士スピードウェイで行われるスーパーGT公式テストに参加。4月第2週の開幕戦を迎える。

また、ニュル24時間レース車両は、同様にいくつかの開発テストを経て3月中旬にはドイツに向けて空輸されることになっている。

STIの平川良夫社長は「チャンピオンを逃した昨年のスーパーGTとリタイヤを喫したニュルブルクリンク24時間レースを振り返り、もう一度"戦って勝つ"というところに立ち返り、走る、曲がる、止まるというクルマの基本を見直して本年モデルの開発に取り組んできた」とコメントし、2018年度にかける気合が感じられた。

また、ドライバーの井口卓人選手は、「これまでは、スーパーGTシーズン前半と後半という寒い時期に取りこぼしが多かったのですが、今年のカレンダーはBRZが得意とするオートポリスが秋開催なので、なんとかそれまでの早い時期にポイントを稼いでおいて、良い流れでオートポリスに臨みたい。また、やっとSUBARUチームの一員になれましたが、ニュルには7回目の出場となるので、経験を生かしたいと思います」とコメントしている。

スバル/WRX
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