トヨタ、新型カムリ生産に向け米ケンタッキー工場に13.3億ドルを投資
トヨタの米国生産事業体であるToyota Motor Manufacturing, Kentucky, Inc.(TMMK)は4月10日、工場の刷新に向けた13.3億ドルの投資を発表した。
この投資により、TNGAをベースとした初の北米生産車である新型「カムリ」の生産に向けて工場を刷新する。また設備更新や新塗装工程導入など、生産工程の最新鋭化・効率化を通じ、工場全体の競争力強化を図っていく。
これに対してアメリカ合衆国大統領のドナルド・J・トランプ氏は「ケンタッキー工場へ13億ドルを投資するというトヨタの決定は、現政権下において、製造業が経済環境の大幅な向上に自信を持っていることを改めて示すものである。また、最近の全米製造業者協会による2017年展望調査において、楽観的な見通しを示した製造業者の割合が数か月前より37%上昇し、現在93%となっている結果に同調するものである」とコメントしている。
今回の投資額は、自動車会社による同州での投資としては過去最大であり、それ以外の業種をあわせても、過去2番目に大きい投資である。今回の投資とレクサス車生産などで2013年に公表した5.3億ドルの投資をあわせると、ここ4年間で公表したTMMK投資額は約18.6億ドルに達する。
TMMKはトヨタが世界に保有する工場の中でも最大規模を誇る。現在の従業員数は、新型「カムリ」の立ち上げに向けて行った700名以上の追加雇用を含め、過去最高の約8,200名に上る。昨年TMMKは、トヨタの北米生産車の約4分の1にあたる50万台以上を生産。また、1986年以降これまでに、トヨタの北米生産車の3分の1以上にあたる約1,100万台を生産してきた。
<各コメント>
▽北米トヨタCEOのジム・レンツ氏
「今回の投資は、今年1月に公表した今後5年間における米国への100億ドルの投資計画の一環であり、これまでトヨタが60年以上にわたり米国で行ってきた約220億ドルの投資の上にさらに積み重ねていくものである。TNGAの導入により、さらなる低燃費化、キビキビとした走り、走行安定性や乗り心地の向上など、トヨタの『もっといいクルマづくり』を進めていく」と述べた。
▽TMMK社長のウィル・ジェームス氏
「TMMKの歴史で過去最大である今回の投資は、TMMK従業員の技能や製品品質が高いことの証であり、これまで築き上げてきた地域社会との協力関係の賜物である。今回の工場刷新を通じ、よりフレキシブルで競争力のあるモノづくりを進めるとともに、同州との関係をさらに強固なものにしていく」と語った。
▽ケンタッキー州選出のミッチ・マコーネル上院議員
「この発表は、ケンタッキー州の経済や労働者にとって歓迎すべきニュースである。トヨタは30年以上にわたり、同州への貢献を続けてきた。今回の投資は、世界有数の自動車産業集積地としての同州の地位を強固なものにし、地域経済を成長させていくというトヨタの変わらぬ決意を示している。トヨタの皆さん、特に何千もの勤勉なケンタッキー工場従業員の皆さんに祝辞を申し上げたい」と述べた。
▽同州選出のランド・ポール上院議員
「ケンタッキー州にとってトヨタは大切な財産であり、トヨタがケンタッキー工場への投資を通じ、雇用への貢献を続けると決定したことは素晴らしいニュースである。さらには企業の成長や事業革新にとって、同州が最適なロケーションであるとの確信を反映したものでもある。トヨタの新たな取り組みを祝福するとともに、同州がこのような投資による経済成長や景気拡大の恩恵を享受しつづけられるよう、企業活動に優しい政策の推進に引き続き議会で尽力していきたい」と述べた。
▽同州のマット・ベビン知事
「グローバル企業であるトヨタによる13.3億ドルもの投資は、世界最高レベルの品質で米国製の車を生産するという同社の決意を改めて示している。今回の決定は、仕事に勤勉かつ熱心に従事するケンタッキー工場従業員の尽力の賜物であり、トヨタが同州での生産事業に強みを感じている証である。ケンタッキー州が米国において優れた技術・生産拠点であると示されたことをうれしく思う」と語った。
▽同州のテリー・ギル経済開発局長官
「ここ30年でのトヨタの貢献で、州内の様々な地域社会の街並みが変わってきた。今回の大型投資による波及効果は、こうしたトヨタの中長期的な取り組みや、米国での自動車製造をリードする同州の地位をさらに強固なものにしていくだろう」と語った。
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