アウディA3・S3改良…TTやA4に搭載のバーチャルコックピット採用など

Audi A3 sedan/A3 Sportback/S3 S3 Sportback

ヨーロッパでプレミアムコンパクトクラスの不動のベストセラーであるアウディA3(セダン・スポーツバック)と、そのスポーツバージョンであるS3(セダン・スポーツバック)を改良、またsportモデルを追加し1月26日より販売開始した。

A3/S3 スポーツバックは、2013年9月以来3年4か月ぶり、またA3/S3 セダンは2014年1月の初導入以来の改良となる。

価格はA3スポーツバックが293万円~429万円、A3セダンが311万円~447万円、S3スポーツバックが606万円、S3セダンが624万円(消費税込)。

◆新型A3は安全面も強化

Audi A3 Sportback

新型モデルは、A4シリーズなどから最新テクノロジーを移植することで、安全に関わるアシスタンスシステムや操作性、コネクティビティなどを充実させており、さらに新しいエンジンやトランスミッションも導入し、走行性能や燃費効率の面でも「プレミアムコンパクトカーのトップランナー」に相応しいクルマに仕上げている。

その中でも、安全のためのアシスタンスシステムについては、ブレーキやアクセルをシステムが自動制御して車間距離と速度を一定に保つ「アダプティブクルーズコントール」をはじめ、追突防止/歩行者保護のための自動ブレーキ機能を含めた「アウディプレセンス フロント」を全モデルに標準装備。

さらに車線維持操作を助ける「アウディアクティブレーンアシスト」*、車線変更時の危険を減らす「アウディサイドアシスト」*、渋滞時のドライバーの負担を軽減する「トラフィックジャムアシスト」*といった先進システムも選択できるようにした。

*2017年夏以降の販売車両より「セーフティパッケージ」としてオプション設定。

◆走行性能が向上

Audi A3 Sedan

走行性能の面では、前輪駆動モデルは従来の1.4TFSIエンジン(90kW/122ps)と7速Sトロニックのパワートレインを踏襲しつつ、quattroモデルには、従来の1.8 TFSIに代え、アウディ独自の新しい燃焼方式「Bサイクル」を採用した新エンジン2.0 TFSIを搭載。140kW(190PS)を発揮する。

また、S3用の高性能版2.0 TFSIのパワーを従来の210kW(285PS)から213kW(290PS)に引き上げ、組み合わせるSトロニック トランスミッションも、従来の6速から7速にグレードアップし、ドライバビリティと燃費効率をさらに改善している。

◆sport モデルの設定や、TTやA4に採用の「バーチャルコックピット」が初めて選択できるように

操作性・機能性の面では、先にTTやA4などに採用されて好評を得ている、フルデジタルの多機能ディスプレイ「バーチャルコックピット」がA3シリーズとして初めて選択できるようになった。

アウディユーザーにはお馴染みのMMIコントロールユニットも操作ロジックが全面的に刷新され、より使い易くなっている。コネクティビティの面では、オプションのナビゲーションシステムとの組み合わせで、「アウディ スマートフォンインターフェイス」が利用できるようになり、手持ちのスマートフォンを簡単につなぎ、車載のモニターで特定のアプリの操作などを行えるようになった。

ボディは従来どおり、5ドアのスポーツバックと4ドアのセダンの2タイプ。今回から新たに、ホイールを17インチにサイズアップして車高を15mm下げた“sport”モデルが、前輪駆動の1.4 TFSI及びフルタイム4WD仕様の2.0 TFSI quattroの両方に設定される。

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◆エクステリアのデザイン変更でスポーティさが鮮明に

Audi A3 Sportback

エクステリアは従来のモデルからシングルフレームグリル、バンパー、ヘッドライト、リアディフューザーなどのデザインが変更され、スポーティな印象がより鮮明になっている。シングルフレームグリルは若干幅が拡げられ、六角形のテーマがより強調されるようになった。

フロントバンパーは、左右のエアインテークの部分を中心により立体的な造形となり、その上方のヘッドライトにもよりシャープな輪郭が与えられている。ヘッドライトはバイキセノンが標準で、オプションでLEDヘッドライトを選択した場合は、リアコンビネーションライトに「ダイナミックターンインディケーター」が組み込まれることになる。

◆自動ブレーキなどで事故の危険を減らすシステムが標準搭載に

Audi A3 sedan/A3 Sportback

今回からA3/S3の全モデルに標準搭載されることになった「アウディプレセンス フロント」は、レーダーセンサーにより前方の交通状況を常時監視し、緊急時には自動ブレーキを発動するなどして事故の危険を減らすシステム。

約10km/h~65km/hで歩行者を、約10km/h~250km/hでほかの車両を検知。接触する可能性があると判断されたときは警告が発せられるとともに、必要に応じてブレーキ操作への介入が行われる。状況に応じ、フルブレーキを発動し衝突スピードを抑えるため、最大限の減速、衝突の回避、衝撃の緩和を図る。さらに、アダブティブクルーズコントロールも全車標準装備し、上級モデルと同等の安全装備を備えている。

◆2017年夏以降の販売車両は先進システムが採用される?

2017年夏以降の販売車両からは「アウディアクティブレーンアシスト」「アウディサイドアシスト」「トラフィックジャムアシスト」などの先進システムを組み合わせた「セーフティパッケージ」が提供される予定。

いずれもコンパクトクラスでは初採用となる、最新のセンサー&運転制御テクノロジーを用いた高度なアシスタンスシステムである。そのうち「アウディアクティブレーンアシスト」は、ドライバーの車線維持操作をサポートするシステムで、ウインカーを使用しない状況でクルマが車線を逸脱しそうになると、警告を発すると同時にステアリングにも介入し、クルマを同一車線内に維持してくれる。

「アウディサイドアシスト」は、レーダーとカメラにより後方及び側方の運転状況を監視することで、車線変更時の事故の危険を減らすシステム。

「トラフィックジャムアシスト」は「アダプティブクルーズコントロール」(全モデルに標準装備)の拡張機能のひとつで、約0km/h~65km/hで渋滞した高速道路などを走行中、アクセル、ブレーキだけでなくステアリング操作も一部代行し、ドライバーの負担を軽減させる。将来の本格的な自動運転につながるテクノロジーとして注目されているシステムだ。

◆ライトサイジングのコンセプトを具現化した新開発の2.0 TFSIエンジン

Audi A3 Sportback

A3のquattroモデルには、従来の1.8 TFSIに代わり「Bサイクル」と呼ばれるアウディ独自の燃焼方式を採用した新しい2.0 TFSIエンジンが搭載されている。

Bサイクルという呼称は、発案者のDr. ラルフ ブダック(AUDI AGのエンジニア)にちなんだもので、バルブタイミングの設定により低~中負荷領域で吸気工程を短縮する、いわゆる「ミラーサイクル」の原理を取り入れ、燃料消費を減らしている。

その一方で、高負荷運転時ではバルブタイミングを一般的なものに戻し、2L排気量とターボチャージャーによる過給をフルに活かし、大きなパワーを発揮させる。圧縮比を11.6と、過給エンジンとしては異例に高く設定したことも高効率に貢献しており、結果として140kW(190PS)/320Nmの出力/トルクと、JC08モードで16.0km/L(前モデル比8%向上)という良好な燃費を両立させることに成功した。

大きめの排気量を逆に利用し、効率とパワーの融合を図るこの技術コンセプトをアウディは「ライトサイジング」と呼び、今後採用するエンジンを拡大していく方針だ。

◆新型S3スポーツバック・セダン

Audi S3 Sportback

A3の高性能バージョンであるS3には、213kW(290PS)、380Nmを発揮する2.0 TFSIエンジンが搭載される。パワーは従来のモデルから、3kW(5PS)アップした。駆動方式は全モデル、quattroフルタイム四輪駆動システムを採用し、同じく標準設定のSトロニックは、従来の6速から7速に進化した。

サスペンションは、通常のA3と比べるとかなり固められており、それに伴い車高が25mm(新しく設定されたsportと比べても10mm)低くなっている。敏捷性と安定性を高度に両立させるため、切り角に応じてレシオが代わる「プログレッシブステアリング」を全モデルに標準化したほか、電子可変ダンパーシステムの「アウディマグネティックライド」をオプション設定した。

Audi S3 Sportback

エクステリアは、専用デザインのバンパーとルーフスポイラー、18インチホイール、アの両側に設置された迫力あるデュアルエグゾーストなどにより、通常のA3よりずっとアグレッシブな印象になっている。ヘッドライトはLEDが標準で、オプションでマトリクスLEDヘッドライトも選択可能であり、その場合はリアだけでなくフロントにも「ダイナミックターンインディケーター」が備わることになる。

インテリアにはファブリックとレザーを組み合わせたスポーツシート、専用デザインの3スポーク革巻きマルチファンクションステアリングホイール、ナビゲーションシステムなどを標準で装備。そのうちシートについては、アウディデザインセレクションによるファインナッパレザーを使った特別な仕様(エクスプレスレッド)も選択することができる。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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