スーパーGT2014、開幕戦はレクサスが優勝

「#37 KeePer TOM'S RC F」(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)が逆転優勝!

(GT500:優勝)「#37 KeePer TOM'S RC F」/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)
GT500表彰台/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)

2014年は革命の年とでも言うのだろうか、GT500クラスはドイツツーリングカー選手権(DTM)と車両規定が統一され、大幅なレギュレーションの変更が行われた。注目の新型マシンは、レクサスは「RC-F」、ホンダは「NSX CONCEPT-GT」、日産は「GT-R」。ホンダNSXだけが3メーカー中唯一、ミッドシップを採用し、それに加えハイブリッドシステムも搭載している。

3メーカーが一斉にマシンを新しく投入し、開幕した2014年シリーズ。レクサス、ホンダ、日産の3メーカーの意地とプライドをかけた戦いが幕を開けた。

『OKAYAMA GT 300km RACE』決勝レースが、4月6日岡山国際サーキットで行われた。時折雨の降る難しいレースとなったが、その中を堅実に走りきった「#37 KeePer TOM'S RC F」(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)が逆転で優勝。歴史的な開幕戦で勝利を手にした。

新型GT500マシンで迎えた開幕戦はレクサスが強さを見せつけた

500クラススタート/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)
(GT500:2位)「#6 ENEOS SUSTINA RC F」/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)(GT500:3位)「#12 カルソニックIMPUL GT-R」/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)

 朝のフリー走行は雨、しかし昼前からは天候が回復した。決勝レースが始まる14時前には気温は9度と肌寒いながらも、コースは乾きドライコンディションとなった。 スーパーGTのスタートは、ローリングスタートという走りながら隊列を整えてスタートする方式。本来は1周のフォーメーションラップだったがもう1周となり、決勝周回数が1周減算となった。

スタートではポールポジションの「#6 ENEOS SUSTINA RC F」の大嶋和也に、予選2位の「#12 カルソニックIMPUL GT-R」のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが並び掛けるが、1コーナーでは大嶋がトップを守る。この後、ENEOS SUSTINA RC Fの後方につけた「#23 MOTUL AUTECH GT-R 」「#36 PETRONAS TOM'S RC F LEXUS RC F 」という、日産、レクサス両メーカーのエース車両が接触するというアクシデントがあり、ポジションを下げてしまう。

代わって2番手に浮上したのは、予選5位の「#37 KeePer TOM'S RC F」のアンドレア・カルダレッリであった。ラッキーな浮上ではなく、序盤にはトップのエネオスの背後、1秒前後にぴたりとつけ、逆転のチャンスを狙う。 そのチャンスは、必ず1回行われるピットインの後に訪れた。レース終盤に入る55周目に、ドライバー交代した国本雄資が操るENEOS SUSTINA RC Fにトラブルが生じたのか、バックストレッチで突如ペースダウン。これを逃さずKeePer TOM'S RC Fの伊藤大輔がパスしてトップが交代。この後、ENEOS SUSTINA RC Fのペースは正常に戻るが、2、3秒の差が開いてしまう。

トップに立ったKeePer TOM'S RC Fの伊藤は、チャンピオン経験者らしい堅実な速さで、若い国本を寄せ付けずにゴール。新型GT500マシンの記念すべき初レースは、「#37 KeePer TOM'S RC F」が優勝を飾った。 もちろん、レクサスRC FはSUPER GT初優勝。伊藤は自身11勝目、カルダレッリは参戦3年目で嬉しい初勝利となった。

2位はポールポジションスタートの「#6 ENEOS SUSTINA RC F」、3位は予選2位の「#12 カルソニックIMPUL GT-R」という結果で開幕戦は幕を閉じた。

GT300クラス表彰台は、FIA-GT勢が独占!JAF勢最高位は#3 B-MAX NDDP GT-R

(GT300:優勝)#4 グッドスマイル 初音ミク Z4/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)
GT300表彰台/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)
(GT300:2位)#7 Studie BMW Z4/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)(GT300 :3位)#11 GAINER DIXCEL SLS/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)

GT300クラスは、予選2位の「#4 グッドスマイル 初音ミク Z4」(谷口信輝/片岡龍也組)がトップとなると、追いすがる同じBMW Z4の「#7 Studie BMW Z4」(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)を振り切って優勝。BMW車による初のワン・ツー・フィニッシュを達成した。3位には「#11 GAINER DIXCEL SLS Mercedes-Benz SLS AMG GT3」(平中 克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が入り表彰台を手にした。

クラスポールの「#31 OGT Panasonic PRIUS」(新田守男/嵯峨宏紀組)は、レース序盤にトラブルに見舞われ、リタイアした。

次回決戦はゴールデンウィークの富士。GT500クラスは、ストレートスピードを生かしたレクサス勢がこれまで有利とされていたが、新型マシンになってどう変わってくるのか楽しみである。また、GT300クラスは国産勢の活躍に期待したい。

優勝選手コメント GT500 #37 KeePer TOM'S RC F

伊藤大輔

「優勝できて、本当に嬉しいです。去年LEXUS TEAM TOM’Sに移籍してKeePerさんに支援してもらって戦ってきたんですが、アンドレア(カルダレッリ)とも気が合って良い感触は得ていましたが、去年はどうしても勝つことができず、何とか1戦でも早くKeePerさんとチームに1勝を届けたいと思っていました。このクルマが一新した、記念すべきシーズンの初戦で勝つことができて、ホッとしています。今シーズンは、またどこかで勝って、シリーズタイトルを手に入れたいですね」

アンドレア・カルダレッリ

「私は日本に来て今年で3年目になりましたがやっと優勝することができました。それもマシンが一新される新時代の開幕戦で勝つことができ本当に嬉しいです。チームとレクサス、そしてTRDのスタッフ皆に感謝したいですね。僕たちのクルマは完成が遅れて、公式テスト(岡山)とメーカーテスト(富士)で2回走っただけですがトラブルもなくずっと調子が良かった。今日のレースでも後半に勝負するつもりでタイヤを選んでいましたが、その通りの展開になって途中からプッシュしていきました。好結果につながって嬉しいです」

左から伊藤大輔・関谷正徳監督・アンドレア・カルダレッリ (GT500:優勝)「#37 KeePer TOM'S RC F」/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)

優勝選手コメント GT300 #4 グッドスマイル 初音ミク Z4

谷口信輝

「去年はQ1を通過することも大変だったけど、2014年モデルはコーナーが速くなりました。それにヨコハマさんが良いタイヤを用意してくれて。タイムアップはむしろ、タイヤの進化によるところが大きいです。富士のメーカーテストから良い調子で来ましたが、レースウィークに入ると7号車(Studie BMW Z4)も調子良くて、レースに勝ちたいという気持ちよりも、7号車に負けたくない、という気持ちの方が強くなりました。だから今は、優勝できてホッとしています」

片岡龍也

「勝てて良かった。レースは2番手からスタートして1コーナーにはトップで入っていくことができました。でも、その後は後続を離していきたかったのですが、自分のペースが意外に伸びず、追いつかれる展開になってしまいました。特に雨が少し降り始めてからは7号車(Studie BMW Z4)が追い上げてきただけでなくゲイナー(#11 GAINER DIXCEL SLS)やプリウス(#31 OGT Panasonic PRIUS)にも追いつかれてしまいました。結局雨は2周ほどで上がったので、何とか逃げ切ることができましたが、あと2周(雨が)続いていたら、また違った展開になったかも。だから今はホッとしています」

左から、谷口信輝・片山右京監督・ 片岡龍也(GT300:優勝)#4 グッドスマイル 初音ミク Z4/スーパーGT 2014 開幕戦岡山(決勝日)

「GT500 開幕戦(岡山) 決勝結果」

順位

カーナンバー

マシン名

ドライバー

1

37

KeePer TOM'S RC F

伊藤 大輔

アンドレア・カルダレッリ

2

6

ENEOS SUSTINA RC F

大嶋 和也

国本 雄資

3

12

カルソニックIMPUL GT-R

安田 裕信

J.P.デ・オリベイラ

4

39

DENSO KOBELCO SARD RC F

石浦 宏明

オリバー・ジャービス

5

18

ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT

山本 尚貴

ジャン・カール・ベルネ

6

17

KEIHIN NSX CONCEPT-GT

塚越 広大

金石 年弘

7

23

MOTUL AUTECH GT-R

松田 次生

ロニー・クインタレッリ

8

8

ARTA NSX CONCEPT-GT

V.リウッツィ

松浦 孝亮

9

100

RAYBRIG NSX CONCEPT-GT

小暮 卓史

武藤 英紀

10

46

S Road MOLA GT-R

本山 哲

柳田 真孝

11

19

WedsSport ADVAN RC F

脇阪 寿一

関口 雄飛

12

24

D'station ADVAN GT-R

ミハエル・クルム

佐々木 大樹

13

36

PETRONAS TOM'S RC F

中嶋 一貴

ジェームス・ロシター

14

1

ZENT CERUMO RC F

立川 祐路

平手 晃平

15

32

Epson NSX CONCEPT-GT

中嶋 大祐

ベルトラン・バゲット

「GT300 開幕戦(岡山) 決勝結果」

順位

カーナンバー

マシン名

ドライバー

1

4

グッドスマイル 初音ミク Z4

谷口 信輝

片岡 龍也

2

7

Studie BMW Z4

ヨルグ・ミューラー

荒 聖治

3

11

GAINER DIXCEL SLS

平中 克幸

ビヨン・ビルドハイム

4

3

B-MAX NDDP GT-R

星野 一樹

ルーカス・オルドネス

5

65

LEON SLS

黒澤 治樹

峰尾 恭輔

6

55

ARTA CR-Z GT

高木 真一

小林 崇志

7

86

クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3

細川 慎弥

山西 康司

8

21

Audi R8 LMS ultra

リチャード・ライアン

藤井 誠暢

9

0

MUGEN CR-Z GT

中山 友貴

野尻 智紀

10

10

GAINER Rn-SPORTS SLS

植田 正幸

山内 英輝

11

88

マネパ ランボルギーニ GT3

織戸 学

青木 孝行

12

9

国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DR

白坂 卓也

坂本 祐也

13

50

WAKO'S Exe Aston Martin

加納 政樹

安岡 秀徒

14

2

シンティアム・アップル・MP4-12C

高橋 一穂

加藤 寛規

15

5

マッハ車検 with トランスフォーマー30th

玉中 哲二

山下 潤一郎

16

360

OKINAWA IMP・RUN UP GT-R

田中 篤

吉田 広樹

17

33

PUMA KRH PORSCHE

都筑 晶裕

ティム・ベルグマイスター

18

48

Snap-on DIJON Racing GT-R

高森 博士

田中 勝輝

19

67

STP タイサン GAIA POWER GT-R

横溝 直輝

密山 祥吾

20

22

グリーンテック SLS AMG GT3

和田 久

土屋 武士

21

61

SUBARU BRZ R&D SPORT

佐々木 孝太

井口 卓人

22

60

TWS LM corsa BMW Z4

飯田 章

吉本 大樹

31

OGT Panasonic PRIUS

新田 守男

嵯峨 宏紀

30

IWASAKI apr GT-R

岩崎 祐貴

影山 正美

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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