トヨタ アルファード燃費レポート|夏と冬でここまで違う!?ハイブリッドモデルの実燃費を徹底検証(2017年マイナーチェンジモデル)(5/6)

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:島村 栄二,永田 恵一

新型アルファード(マイチェンモデル)実燃費レポート|総合評価

新型アルファード (マイチェンモデル)高速道路での実燃費:13.9km/L

トヨタ 新型アルファードの燃費比較|総合平均
車種名パワートレイン実燃費

トヨタ アルファード(2018年モデル)

4WD/2.5Lハイブリッド

13.9km/L

トヨタ ヴェルファイア(2015年モデル)

4WD/2.5Lハイブリッド

12.1km/L

トヨタ アルファード(2015年モデル)

2WD/2.5Lガソリン

10.5km/L

マイナーチェンジされたアルファードは、走りに関しては小幅な進歩であったが、性能を劇的に向上した第2世代のトヨタセーフティセンスの採用により、高級車としての魅力を大きく高めたことが確認できた。

同時にアルファードとヴェルファイアが第2世代のトヨタセーフティセンスの採用第一弾となったのには、この2車種を「クラウンと並ぶ高級車に育てよう」という意思も強く感じられ、今後は中国やタイ国といったアジア圏だけでなく「日本ならではの高級車の形」として欧米にも輸出されることも期待したい。

マイナーチェンジされたアルファードハイブリッドに関しては、2.5リッターガソリンに対する燃料代で差額の元を取るという金銭的なメリットは皆無に近い。しかしハイブリッド化による高級感の向上や、燃費の数値だけではない「ハイブリッド」という記号性やイメージは重要で、存在価値のあるグレードであるのは事実ではある。そういう価値観を持っている人で、アルファード&ヴェルファイアを買う際に予算に余裕があるなら、ハイブリッドを選ぶのもいいと思う。

また、アルファードとヴェルファイアはリセールバリューが想像以上に高いので、現在オーナーの方も、トヨタセーフティセンス第2世代版を目当てに思い切って買い替えをしてもよいかもしれない。

トヨタ アルファードハイブリッドの主要スペック

トヨタ 新型アルファードの主要スペック
車種名トヨタ アルファード

グレード

HYBRID Executive Lounge

駆動方式

4WD

トランスミッション

CVT

価格(税込)

7,358,040円

JC08モード燃費

18.4km/L

全長

4,645mm

全幅(車幅)

1,850mm

全高(車高)

1,950mm

ホイールベース

3,000mm

乗車定員

7人

車両重量(車重)

2,240kg

エンジン

直列4気筒

排気量

2,493cc

エンジン最高出力

112kW(152PS)/5,700rpm

エンジン最大トルク

206N・m(21.0kgf/m)/4,400~4,800rpm

燃料

無鉛レギュラーガソリン

フロントモーター最高出力

105kW(143PS)

フロントモーター最大トルク

270N・m(27.5kgf/m)

リアモーター最高出力

50kW(68PS)

リアモーター最大トルク

139N・m(14.2kgf/m)

トヨタ アルファードとは

初代モデルが2002年に登場したアルファード(兄弟車のヴェルファイアは2008年登場)、ラージミニバンというジャンルを開拓した日産 エルグランドのフォロワーだったが、今では「ラージミニバンといえばアルファード&ヴェルファイア」というイメージが確立されているほどメジャーなモデルに成長している。

2015年1月に登場した3代目アルファードは、登場から約3年が経った2017年12月にマイナーチェンジを受けた。新型アルファードは広い室内や豪華な装備、押し出しの強いエクステリアといったラージミニバンが持つ魅力だけでなく、乗り心地や静粛性に代表される快適性やハンドリングの向上といった高級車の要素も備える「大空間高級サルーン」というコンセプトで開発された。

このコンセプトの実現に向け、新型アルファードは、リアスペンションの形式を先代までの半独立式のトーションビームから独立式のダブルウィッシュボーンへの変更やボディ剛性の向上などを実施。室内空間に関しても車内を彩るLEDルーフカラーイルミネーションが新採用されている。さらに2列目シートは、3人掛けのベンチシート(全グレード1列目は2人、3列目は3人乗りなので乗車定員8人)が基本となるが、メインは左右が独立したキャプテンシートタイプの7人乗り仕様だ。これはアルファード&ヴェルファイアシリーズのハイライトと言ってもよい。

旅客機で例えればプレミアムエコノミー相当で1列目シートを前方に大きくスライドでき広大な足元空間を得られるリラックスキャプテンシート、ビジネスクラスに相当するゴージャスなシートとなるエグゼクティブパワーシート、ファーストクラスに相当するエグゼクティブパワーシートの幅を拡大し、電源や各々のテーブルなどを備えるエグゼクティブラウンジと、3種類もの2列目シートのバリエーションから選択できる。

さらに特殊な仕様となるが、トヨタ直系のモデリスタで加装されるロイヤルラウンジ(1531万1160円から)も設定される。ロイヤルラウンジは1列目と2列目をパーテーションで区切り、広大な2列目と3列目の空間を2人のみで独占するという極めて贅沢な仕様だ。それだけでなくシートはマッサージ器まで着く豪華版なのに加え、小型の冷蔵庫や24インチモニターなども装備され、例えるなら「動く書斎」的な存在だ。

2017年12月のマイナーチェンジ概要

内外装の変更

特にアルファードはグリルがさらに大きくなり、一層押し出しの強い印象となった)

グレードの拡大

アルファード&ヴェルファイアには標準ボディとスポーティな印象となるエアロボディが従来から設定されていたが、最上級のエグゼクティブラウンジとハイブリッドのエントリーグレードにもエアロボディが追加された。

ボディ剛性の向上

構造用接着剤の適応範囲拡大や高剛性ガラス接着剤の使用によるもの。

エンジン、トランスミッションといったパワートレーン関係

CVTと組み合わされる2.5リッター直4ガソリン(最高出力182馬力&最大トルク24.0kgm)、2.5リッター直4ガソリン(最高出力152馬力&最大トルク21.0kgm)に組み合わされる駆動用と発電用のモーターに加え、リアにも駆動用モーターを持つ4WDとなるハイブリッド(システム出力197馬力)、3.5リッターV6という3つのバリエーション自体はマイナーチェンジ後も同様だ。

しかし3.5リッターV6エンジン搭載車はオーソドックスなポート噴射(最高出力280馬力&最大トルク35.1kgm)から、燃料噴射の方法をポート噴射と動力性能と燃費の両立に貢献する直噴を併用するD-4Sに変更するなど主要部品を一新するなどの大改良を受け、最高出力は301馬力、最大トルクは36.8kgmに向上。さらにトランスミッションは6速ATから日本国内で販売されるトヨタブランド車としては初となる8速ATに変更され、アイドリングストップも標準装備された。

結果、3.5リッターV6搭載車のカタログに載るJC08モード燃費はマイナーチェンジ前の9.1~9.5km/Lから10.4~10.8km/Lに向上。3.5リッターV6搭載車はエコカー減税でも4WDを含め全グレード取得税20%、重量税25%軽減が適応となる。

話がやや前後してしまうが、2.5リッター直4ガソリンとハイブリッドのJC08モード燃費は、2.5リッター直4ガソリンが11.4~12.8km/L、ハイブリッドが18.4~19.4km/Lとマイナーチェンジ前と変わらず、エコカー減税では2.5リッター直4ガソリンが3.5リッターV6と同様に4WDを含め全グレード取得税20%、重量税25%軽減、ハイブリッドは全グレード取得税と重量税の免税、登録翌年度の自動車税の75%軽減が適応となる。

予防安全装備の劇的な性能向上

自動ブレーキの性能改善が、今回のアルファード&ヴェルファイアのマイナーチェンジのハイライトだ。マイナーチェンジ前のアルファードとヴェルファイアに設定されていた自動ブレーキは、周囲の情報収集にミリ波レーダーのみを使うプリクラッシュセーフティシステム(停止まで対応する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール、以下レーダークルーズコントロールを備えてはいたが)で、レーダークルーズコントロールの性能はともかくとして自動ブレーキの性能は現代の水準に及ばないものだった。

しかしマイナーチェンジ後は、トヨタセーフティセンスPに比べて劇的に性能を向上させた単眼カメラとミリ波レーダーが搭載され、その『第2世代版トヨタセーフティセンス』が全グレードに標準搭載されている。

新型アルファードに搭載される第2世代のトヨタセーフティセンスは、緊急ブレーキ機能に加え、「制限速度」「一時停止」「進入禁止」「はみ出し禁止」の4種類の標識を読む「ロードサインアシスト」、同一車線中央を維持しようとする「レーントレーシングアシスト」、停止まで対応する「レーダークルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロール:ACC)」、先行車の発進をお知らせする「先行車発進告知」、夜間遠くまで見通せるハイビームを積極的に使う「オートマチックハイビーム」といった機能から構成される。

特に緊急ブレーキに関しては、国の公的な試験であるJNCAPのテストはまだ受けていないものの、自転車や今まで日本メーカーでは正式に宣言しているところはなかった夜間の歩行者への対応が施されているなど、現在日本トップクラスのスバルのアイサイト、日産やマツダのシステムと少なくとも同等、あるいはそれら以上となる日本トップの性能を備えることも十分期待できる。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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