激売れ「シエンタ」の魅力とは?ガソリンモデルの実燃費テストで見えたこと(1/5)
- 筆者: 永田 恵一
12年のロングセラーだった初代を引き継ぐ新型シエンタ
シエンタは「ホンダ フリード」がライバルとなる5ナンバー枠の中で3列シートを備えるコンパクトミニバンだ。
7月のフルモデルチェンジで2代目となった現行モデルは、発売から約1ヶ月で7,000台の月間販売目標台数の7倍となる約4万9,000台の受注を集め、8月と9月は登録車(軽自動車を除く白いナンバープレートが付く車)の月間販売台数ランキングではトヨタ「アクア」に続く2位に位置する人気車となっている。
コンパクトミニバン市場は、97年にトヨタが通常のヒンジドアを持つカローラスパシオで開拓したジャンルで、その後01年にホンダがスライドドアという形で現在はフリードに車名を替えたモビリオで続き、03年9月に登場したシエンタはこの2台に続くコンパクトミニバンであった。
このジャンルにおいて初代シエンタはファニーなスタイルや使い勝手のよさを理由に好評となっていたが、08年12月に登場したカローラスパシオの後継モデル的なパッソセッテとダイハツで販売されるブーンルミナスに役割を引き継ぐ見通しだった。
ところがパッソセッテとブーンルミナスは初代シエンタとは対照的に使い勝手があまり良くなかったことなどが原因だったのか低調な販売成績に終わり、そのピンチヒッターを務めるような意味合いで初代シエンタは10年まで継続販売され一度生産を終了するものの、約半年後の11年5月にマイナーチェンジを受け生産、販売を再開。結局初代シエンタは約12年に渡る長期間販売されたロングセラーとなった。
現行シエンタもトヨタのコンパクトカーであるヴィッツ(アクアも含む)と共通部分を持った成り立ちであることは初代モデルと変わらないが、7人乗りのミニバン化に伴い車体の後半部分は多くのシエンタ専用部分を持つ。また現行シエンタは特に3列目シートの居住性向上のため全長を先代モデルに対し135mm長い4235mmに拡大し、大人でもそれなりに座れる3列目シートを持つことも大きな特徴になっている。
パワートレーンは今回テストした1.5リッターガソリンとアクアと基本的に同じ1.5リッターハイブリッドの2つが設定される。1.5リッターガソリンは現在販売されているヴィッツの1.3リッター4気筒エンジンの排気量を拡大し、今年3月にマイナーチェンジされたカローラシリーズに搭載されるのと基本的に共通のものとなる。
この1.5リッターガソリンエンジンは最高出力109馬力、最大トルク13.9kgf・mとスペック的には目を引くところはないが、トヨタではハイブリッドカーに搭載されることも多い熱効率(燃料をエネルギーに変換できる割合)に秀でたアトキンソンサイクルや排気効率に優れる4-2-1排気マニホールドを採用し、エンジン単体での燃費を高めている。
人気のコンパクトミニバン「シエンタ」ガソリンの燃費をテスト!
またアイドリングストップも1.5リッターのFF全グレードに標準装備され、オートエアコンが付く上級のGグレードにはエアコンの構成部品の1つであるエバポレーターに蓄冷材を加え冷気を保つことでアイドリングストップする時間を延長し燃費向上に貢献する「蓄冷エバポレーター」も装備される。
結果、カタログに載るJC08モード燃費はFF車で20.2~20.6km/Lという数値を実現し、現行シエンタの1.5リッターFF車は全グレードが今年4月から基準が大幅に厳しくなったエコカー減税において取得税60%、重量税50%軽減が適応となる。
今回の燃費テストではシエンタの中では標準的な位置付けとなるXグレード(181万6,363円、JC08モード燃費20.2km/L)を起用。なおアイドリングストップはノーマルとアイドリングストップ時間が延長する方向になるロングの2つのモードがあるが、今回はノーマルを選択した。
自動車メディアが取材に借用する広報車両としては珍しいオートエアコンではないマニュアルエアコンだったため、風量と温度は随時適温に調整した。
テストは10月2日(金)の午前10時に開始し、午後6時半頃に帰京するというスケジュールで、次回掲載予定のシエンタハイブリッドと同時に行った。天候は曇りのち晴れ、最高気温29度というコンディションで、交通状況は比較的スムースであった。
燃費測定の基本ルール
・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用
・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行
・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定
・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行
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