ホンダ 新型フィットハイブリッド 燃費レポート/永田恵一(3/5)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:オートックワン編集部/永田恵一
ホンダ 新型フィットハイブリッド 燃費レポート【郊外路編】
前頁の高速道路編で、新型フィットハイブリッドが実際の車格よりも格上のクルマに感じられたとお伝えしたが、それは郊外路でも同様であった。
それを象徴するのが、“上質なステアリングフィール”だ。
これは高速道路でも感じられたのだが、センター(直進)付近では適度な落ち着きを保ちながら、平均的な操舵力(重さ)でタイヤの状況を正確に伝える実にしっとりとした感覚になっており、新型フィットハイブリッドが持つ“良いクルマ”の印象アップに大きく貢献している。クルマの動き自体はさほどシャープではないが、それはクルマの性格を考えれば納得できるものだろう。
ハイブリッドシステムに関しては、郊外路のペースでもかなりEV走行が出来る領域が広いことに加え、EV走行とエンジンが加わったときの切り替わりなどはかなり注意していないと分からないくらいスムースなことが印象的だった。
また、減速時の回生エネルギーを無駄なくバッテリーに戻すことはハイブリッドカーにとって非常に重要なことだが、新型フィットハイブリッドはブレーキペダルを踏んで減速している時でも減速エネルギーを回生できる「電動サーボブレーキ」(回生ブレーキと油圧ブレーキの協調システム)を採用している。
その恩恵で、バッテリー残量は多い状態をキープし易かった。このことには、リチウムイオンバッテリーの搭載により充電性能が優れていることも大きく貢献している。
1モータータイプのハイブリッドの弱点と言われている、エンジンが止まっている停止状態やEV走行中から全開加速を行った際のレスポンスの悪さ(1モーターハイブリッドはエンジンが掛かるまでにタイムラグがあるため)に関しては、新型フィットハイブリッドは変速が速いツインクラッチミッションを使っていることもあり、個人的にはそれほど気にならなかった。
この点に関しては個人の感覚や好みの差がかなり大きいと思われるので、気になる方はぜひディーラーで一度試乗して頂きたい。
なお、セレクトレバーをLレンジにしておけば常にエンジンが掛かっているので、いつでも鋭い加速を得ることができ、Sモードをオンにすると低いギアをキープしてよりスポーティな走りを楽しめることもお伝えしておこう。
ツインクラッチミッションと言えば、郊外路を走ってソフトウェア的な部分で注文したい部分が2つあった。
1つ目は、任意での変速を楽しむことは現状ではSパッケージでしか出来ない点だ。
スパッ、スパッと歯切れよく変速してくれるトランスミッションだけにドライバーの任意で変速を楽しみたいケースが出てくるのだが、新型フィットハイブリッドはパドルシフトが一番高い「Sパッケージ」にしか付かないのだ。そして、セレクトレバーにマニュアル操作用のゲートも存在しない。これは非常にもったいないと感じるので、せめてパドルシフトのオプション設定を望みたい。
もう1つは、変速が速い上に段数も7速と多いので、いま何速で走っているのかが分かりにくい。これは気にならない方も居るかもしれないが、使っているギアの位置の表示が欲しい。
郊外路の燃費も、高速道路と同じ「26.1km/L」と申し分ない数値を記録した。
ホンダ 新型フィットハイブリッドの郊外路の実燃費/26.1km/L
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