三菱パジェロ 新型クリーンディーゼル 試乗レポート(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
果たしてクリーンディーゼルの搭載が突破口になるか
思い返せば、かつてのパジェロは、このディーゼルの運転感覚も人気の一因になって好調に売れた。82年に登場した初代モデル、そして91年の2代目だ。
もっとも、2代目パジェロのディーゼルターボは排気量が2.5Lで、登場時点での最高出力は105馬力。最大トルクも24.5kg-mだから、現行型の54%にすぎない。加えて粒子状物質を含む汚れた排気ガスを吐き出した。後ろめたさを感じながら、アクセルを踏み込んでいたユーザーも多かったのだ。
そのディーゼルターボがクリーンなエンジンに生まれ変わり、動力性能も大幅に向上。さらに二酸化炭素の排出抑制という環境性能まで高めて蘇ったのだから、往年のパジェロファンの喜びは容易に想像できる。
ちなみに東京都は一時、「ディーゼル車NO作戦」を展開。
ディーゼルエンジンが悪者のレッテルを貼られてファンは肩を落としたが、その後の技術進歩で見事に汚名を挽回した。パジェロのクリーンディーゼルは、あまり話題にならないが、技術進歩のあり方として注目すべきクルマだと思う。
また、今や売れ筋路線からはずれた重量級のオフロードSUVが、クリーンディーゼルの搭載で魅力的に感じられるのも興味深い。先に触れた「ディーゼルとパジェロの相性」なのだが、クルマにとって、やはりエンジンは大切だと改めて思う。
客観的な話をすれば、舗装路における走行安定性などは、決して誉められたレベルではない。
ガソリンエンジンを積んだグレードも含め、パジェロのハンドリングはかなり腰高な印象だ。特にディーゼルエンジン搭載車では、前輪に加わる荷重がV型6気筒の3Lを約100kgも上まわる。コーナーでは前側がかなり重い感じだ。
従って、ディーゼルエンジンを積んだことで重量級オフロードSUVの欠点が払拭されるわけではないが、この運転感覚を味わっていると、「まぁイイじゃないか」と許せる気分になってくる。
ならばこのエンジン、ほかのクルマに積んだらどうなるか。キビキビと走るアウトランダーやRVRにはミスマッチ。セダンやクーペは明らかに違う。デリカD:5なら、意外に楽しく走れるかも知れない。
それでも一番馴染むのは、パジェロのようなオフロードSUVだろう。
今の国内市場では、趣味性の強いクルマは全滅状態。パジェロなどのオフロードSUVもそこに含まれるが、クリーンディーゼルの搭載は、意外な突破口になるかも知れない。これを示唆するのが、冒頭で触れた70%の販売比率。
面白いクルマ、楽しいクルマを諦めるのは、まだ早いと思う。
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