三菱 新型アウトランダー 新型車解説(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
4輪コントロール技術の集大成
自動車メーカーには、それぞれ独特の持ち味がある。トヨタならハイブリッド。スバルなら水平対向エンジンとシンメトリカル4WDという具合だ。
三菱の場合は、4WDを中核とした4輪のコントロール技術だろう。第二次世界大戦の直後からジープのノックダウン生産を開始して、1982年には初代パジェロがヒット作となった。乗用車用の4WDも進化を続け、現在、ランサーエボリューションXには「S-AWC/スーパー・オール・ホイール・コントロール」が採用されている。
そしてこれらの技術的な集大成というべきモデルが、2012年10月25日に発売された2代目新型アウトランダーだ。
クルマの性格は、先代型とさほど変わっていない。基本となるプラットフォームは共通で、前輪駆動の2WDと、これをベースにした4WDを設定する。エンジンは直列4気筒。2WDは2リッター、4WDは2.4リッターの組み合わせになる。
2013年の初頭には「プラグインハイブリッドEVシステム」を搭載した「アウトランダーPHEV」も投入される予定だ。
となれば室内の広さも同様。新型アウトランダーも先代型と同じく、荷室に補助席を設けた3列シート仕様だが、運転席のペダルから3列目のヒップポイントまでの長さは先代型と同じ数値になる。
ただし、シートの造りは進化しており、フロントシートはバックレストの両側の張り出しを拡大してサポート性を向上。2列目はスライド量を増やして、6名乗車時には3列目の足元空間を広げやすくした。
3列目は、シートの構造を大幅に変えている。先代型はウレタンを用いない薄型で簡素な造り。収納性に重点を置いていたが、新型アウトランダーでは座面にパッドとスプリングを用いたクッション構造としている。それでも膝の持ち上がる窮屈な姿勢に変わりはないが、座り心地は格段に良くなった。
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