三菱 新型アウトランダー 新型車解説(2/2)

三菱 新型アウトランダー 新型車解説
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ボディの軽量化やアイドリングストップ機能の搭載により、燃費比率が15~22%向上

三菱 アウトランダー

新型アウトランダーのエンジンラインナップは前述のように2WDが2リッター、4WDは2.4リッターを搭載する。

両エンジンともに内径と行程の数値は先代アウトランダーと同じだが、MIVECと呼ばれる可変バルブタイミングシステムが進化した。先代アウトランダーではツインカム方式を採用したが、新型アウトランダーがシングルカム。軽量でコンパクトに仕上げている。

エンジン性能は、2.4リッターの最高出力が169馬力(6000回転)で、最大トルクは22.4kg-m(4200回転)。2リッターは150馬力(6000回転)で、19.4kg-m(4200回転)になる。カタログ数値としては2.4リッターはマイナス1馬力/0.6kg-m。2リッターは最高出力が2馬力の上乗せで、最大トルクは0.7kg-m下がる。

いずれも最大トルクが下がり気味だが、車両重量はボディの軽量化などによって2.4リッターの4WDモデルで約100kg、2リッターの2WDモデルは110kgほど軽くなった。動力性能の低下は抑え込まれている。

そして無段変速ATのCVTに改善を加え、AS&Gと呼ばれるアイドリングストップも装着。JC08モード燃費は大幅に向上した。2.4リッターの4WDモデルは先代アウトランダーの11.8km/Lから新型アウトランダーでは14.4km/Lに、2リッターの2WDモデルは先代アウトランダーの13.2km/Lから新型アウトランダーでは15.2km/Lにそれぞれ改善されている。比率に換算すれば、2.4リッターが22%、2リッターが15%の向上だ。

三菱 アウトランダー三菱 アウトランダー

一般的にアイドリングストップの装着で改善される燃費比率は7~8%だから、15~22%の向上となれば、エンジン、CVT、前述のボディの軽量化を含め、さまざまな効率化を図ったことが分かる。

4WDは電子制御される多板クラッチによって後輪への駆動力配分を調節するタイプ。先代アウトランダーは2WDモードを設けたが、新アウトランダーでは「4WD ECO」モードになった。通常は前輪駆動の2WDで走るが、滑りやすい路面になれば即座に4WDへ切り換わる。

このほか従来と同じくコーナリング時を含めて4WDを有効活用する「4WD AUTO」。多板クラッチの締結力を強め、後輪への駆動力配分を高める「4WD LOCK」も選択できる。

さらに「S-AWC」を新たにメーカーオプションとして設定。ランサーエボリューションXが採用するタイプとはメカニズムが異なるが、ブレーキや電動パワーステアリングの制御により、前後輪に加えて左右輪の駆動力もコントロールする。舵角に忠実なコーナリングが行えるよう、4輪を独立制御してクルマの挙動を最適化する機能だ。

サスペンションはフロント側がストラット、リア側がマルチリンクの4輪独立式。この組み合わせは先代アウトランダーと同じだが、セッティングは改められた。先代アウトランダーは、SUVとしては機敏に良く曲がる半面、危険回避時などに後輪の横滑りを誘発する傾向が見受けられた。この対処について開発者に尋ねると、「開発サイドでも認識しており、新型アウトランダーでは後輪の接地性を高めた上で、自然に曲がるハンドリングに仕上げた」と言う。

安全性と快適性を高める衝突回避技術「e-Assist」

三菱 アウトランダー

そして新型アウトランダーに設けられた新しい技術として、安全性を高める「e-Assist」に注目したい。電波レーダーとカメラユニットを組み合わせたシステムで、機能的にはスバルのアイサイトに近い。

FCM(衝突被害軽減ブレーキシステム)は、常に先行車との距離や相対速度を監視していて、衝突の危険が迫るとドライバーに警報を発する。ドライバーが回避操作を行わないと、まずは弱い自動ブレーキで再度回避操作を促し、それでも反応がない時は強いブレーキをかける。アイサイトと同様、先行車との相対速度が時速約30km以下の時は、衝突を避けることも可能だ。

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実際にテスト車両で試すと、アイサイトでは衝突寸前になって急ブレーキを作動させる印象だが、FCMでは1次的なブレーキによって乗員の体が軽く前のめりになる減速があり、次いで本格的なブレーキングに移る。

LDW(車線逸脱警報システム)も採用。時速65km以上で方向指示機を作動させずに車線を逸脱しそうになると、ドライバーに注意を促す。

一方、ドライバーの快適性を高める機能としては、ACC(レーダークルーズコントロール)がある。ドライバーが任意に選べる3段階の車間距離を保ちながら、先行車に追従走行できる。作動中の加減速は車両側が自動的に行い、ドライバーはペダル操作から解放される仕組みだ。停止状態までカバーできるが、約2秒後にはブレーキが解除されるから、ドライバーが自分でフットブレーキを踏まねばならない。

なお「e-Assist」は2.4リッターエンジンを搭載した4WD仕様の24Gセーフティパッケージに組み込まれ、24Gに対する価格アップは9.5万円と安い。アイサイトの10.5万円を下まわり、このタイプのオプション装備では最廉価になる。

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となれば、20Gや24Gも用意されるが、ベストグレードは24Gセーフティパッケージで決まりだ。車両価格は278.7万円。戦略的な値付けで、CX-5・4WD・XD(279万円)をわずかに下まわり、割安感をアピールしている。

カーナビが必要な場合は、「e-Assist」も備わる24Gナビパッケージ(310万円)も検討すると良い。

ライバル車としては、先に挙げたCX-5のほか、CR-V・4WD・24G(275万円)、ヴァンガード4WD・240S(267.万円)などが挙げられる。新型アウトランダーは前後席の居住性が優れ、先代アウトランダーに比べると走行安定性も向上。「e-Assist」も選択可能で、50%のエコカー減税の対象に入ることなどがメリットだ。

新型アウトランダーは、SUVらしい野生味は乏しいものの、内装の質も高まって快適なファミリーモデルになった。家族で乗車して、安全な長距離移動を楽しむのにピッタリだ。4WDを中核とするSUVの機能は、「e-Assist」との相乗効果により、安心感をさらに高めてくれる。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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