三菱 エクリプス クロス ディーゼル試乗|遅れてきた大本命が日本に上陸! ガソリンモデルとの違いはいかに?

ガソリンモデルとの価格差30万円!

昨年3月に発売をスタートしたエクリプスクロスにようやくクリーンディーゼルモデルが追加された。ガソリンモデルとの価格差はおおよそ30万円。上乗せした分だけの旨味はあるのか? コスパにうるさい渡辺 陽一郎がCHECKする。

>>ボディバランスが完璧! ディーゼル一見の価値あり[フォトギャラリー]

パワーも燃費もディーゼルが優位

SUVは今なおディーゼルエンジンの人気が高い。なぜなら、ディーゼルはターボを装着すると実用回転域の駆動力が高まり、軽油価格の安さ(正確には軽油に課せられる税金の安さ)もあって、燃料代も節約しやすいからだ。SUVはボディが重く背が高いため、実用回転域の駆動力が優れ、燃費を節約しやすいディーゼルターボとは相性が良い。

そこで三菱 エクリプスクロスが、ラインアップにクリーンディーゼルターボ搭載車を加えた。以前から欧州など海外仕様にはディーゼルが用意されていたが、ようやく国内仕様にも追加したというわけだ。

デリカD:5よりも300キロ軽いエクリプスクロスディーゼル! その走りはいかに?

ディーゼルエンジンは直列4気筒2.2リッターで、尿素水溶液を使って窒素酸化物を浄化するシステム。最高出力は145ps/3500rpm、最大トルクは38.7kg-m/2000rpmとされ、この動力性能はデリカD:5のディーゼルと等しい。デリカD:5と車両総重量を比べると、エクリプスクロスのほうが約300kg軽い。

最近のディーゼルは吹き上がりが軽快で、走り方によってはガソリンエンジンと錯覚するタイプもあるが、エクリプスクロスはディーゼルの個性が分かりやすい。1800rpm付近から駆動力が盛り上がり、2000~3000rpmで走ると力強い印象だ。エンジン回転をあまり高めず、8速ATがシフトチェンジを繰り返す走り方をすると、余裕のある運転感覚を味わえる。

その代わり高回転域の吹き上がりは大人しい。Dレンジでアクセルペダルをフルに踏み込むと、3500rpmでシフトアップした。マツダ CX-5が搭載する2.2リッターのクリーンディーゼルターボは、シフトアップが5000rpmで行われるから、エクリプスクロスの方がディーゼルの個性を際立たせているというワケ。

低回転域で走ると、カリカリとしたディーゼル特有のノイズも少し聞こえるが、振動がハンドルやシフトレバーに伝わる不快感は抑えられている。

実用回転域に特化して駆動力を高めたディーゼルが好みのドライバーには、エクリプスクロスは歓迎されるだろう。1980~90年代に売られたパジェロなどのディーゼルに親しんだユーザーも、懐かしい気分を味わえると思う。

全てにおいて完ペキなバランス

走行安定性と操舵感は、1.5リッターのガソリンターボ搭載車に比べてバランスが良い。ガソリンターボは機敏に良く曲がる半面、下り坂のカーブなどでは後輪の接地性が若干損なわれやすいが、ディーゼルターボは車両の反応が少し穏やかで後輪の接地性と安定性を高めた。

ディーゼルターボの車両重量は、ボディの前側を中心にガソリンターボよりも130kgほど重い。従って操舵感は穏やかにセッティングされ、バランスを最適化する方向に作用した。ガソリンターボに比べると、エクリプスクロスの機敏に曲がる個性が弱まったともいえるが、運転はしやすい。

クリーンディーゼルターボの試乗車はGプラスパッケージ(340万3080円)で、18インチタイヤ(225/55R18)を装着していた。乗り心地は少し硬いが、粗さはなく、おおむね快適に運転できる。

やっぱりディーゼルは長距離向き?

居住性はガソリンターボと同様に良好だ。特に後席が広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ少々だからLサイズセダンに近い。

しかもSUVだから、床と座面の間隔も十分に確保され、膝が持ち上がったり腰が落ち込むことはない。全長が4405mmに収まる比較的コンパクトなボディながら、長時間の4名乗車も得意だ。

このような快適な居住性を生かして、高速道路を使った長距離ドライブを頻繁に楽しむなら、ディーゼルターボエンジン搭載車を検討すると良い。実用回転域で余裕のある駆動力を発揮するため、高速道路を一定の速度で走るよう運転がしやすい。逆に峠道をスポーティに走るような使い方には、ボディの前側が軽いガソリンターボが適する。

ガソリンモデルと同じく、歩行者を検知できる緊急自動ブレーキと併せて、車間距離を自動制御するクルーズコントロールも採用したから、ドライバーの疲労も軽減される。ただしeKクロスのような車線の中央を走る操舵支援はない

少々高くなってもオススメはディーゼルだ

なお2.2リッタークリーンディーゼルターボの価格は、1.5リッターガソリンターボに比べて29万5920円高い(Gプラスパッケージ同士の比較)。この価格差は、CX-5の2.2リッタークリーンディーゼルターボと2.5リッターガソリンエンジンとの価格差に近い。つまりエクリプスクロスのディーゼルの価格上昇は平均的ということ。

そしてクリーンディーゼルは、燃費数値にかかわらずエコカー減税が免税になるため、購入時に税金がガソリンターボのGプラスパッケージに比べて12万6800円安い。そうなるとディーゼルターボとガソリンターボの実質差額は、約17万円に縮まる。

17万円の上乗せで、力強いディーゼルの運転感覚と優れた燃費性能が得られるなら、買い得といえるだろう。

パジェロの面影も? 乗り味はちょいと古典的

ちなみに2019年8月には、国内向けのパジェロが生産を終える。パジェロは悪路指向、エクリプスクロスは前輪駆動ベースの4WDだから同じSUVでも素性は異なるが、ディーゼルエンジンの搭載は共通だ。

しかもエクリプスクロスのディーゼルは、運転感覚が前述の通り少し古典的だから、パジェロの面影も見いだせる。メーカーやブランドの持ち味は、このように複数の車種を経ながら次の世代へ継承されていくのだろう。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:和田 清志]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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