ミニ クロスオーバー JCW(John Cooper Works)[プロトタイプ] 海外雪上試乗レポート/九島辰也(2/2)

ミニ クロスオーバー JCW(John Cooper Works)[プロトタイプ] 海外雪上試乗レポート/九島辰也
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エンジニアから直接聞き出した、JCW化の変更点とは

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冒頭に記したように、ミニ クロスオーバー JCWはプロトタイプのため、スペックや改良部分を明かしていない。なのでハードウエアのどこまで手を入れたかは発表を待たなくてはならない。

ただ、試乗の間助手席に乗った実験部の方によると次の部分を強調していた。

1.エンジンの出力アップ

2.スポーティなサスペンション

3.4WDシステムおよびリアデフの見直し

4.ブレーキローターの大径化

5.「SPORT」ボタンによる変化の内容

などだ。エンジンは当然1.6リッター直4ターボとなるわけだが、最高出力が他のJCW同様211psであるかはわからない。ツインスクロールターボのブースト圧を上げ、全領域でトルクを出しながら最高出力を上げる可能性はたっぷりある。

個人的に興味を持ったのはブレーキの強化だ。話では4輪ともに手を入れストッピングパワーの増強を図ったらしい。これはボディがこれまでよりも重いクロスオーバーであることを物語っているのだが、感触的にはJCWの走りの特性を引き出すため、ボディの剛性アップも図られたのではと感じている。

背の高さ、車体の重さをジョン・クーパー・ワークスはどう調理したのか

ミニ クロスオーバー JCW(John Cooper Works)[プロトタイプ]ミニ クロスオーバー JCW(John Cooper Works)[プロトタイプ]

走り出してまず感じたのは、ボディが軽いことだ。もちろん、実際は重量アップしていることから想像以上にエンジンの出力が上がっていることとなる。山道のダラダラとした長い上り坂を、息継ぎなく駆けるトルクの太さはさすがだ。ターボのチューニングは、これまでのJCWとも違う気がした。

軽快にワインディングを駆け抜けるこのクルマは、コーナーで見事にロールが抑えられているのも特筆したい。特にフロントサスペンションのねばりは強烈で、ボンネットがフラットのまま出口へと向かう。きっとスタビライザーの径もスタンダードモデル以上に太くなっているに違いない。

それじゃ乗り心地はガチガチかといえばそんなことはない。いわゆるバネ下がしっかり仕事し、キャビンは快適に守られる。ハッチバック系ミニにありがちなピッチングも思いのほか抑えられる。

このほかで感激したのはマフラーが奏でるサウンド。「SPORT」ボタンを押すと、アクセルレスポンスやATのシフトチェンジが変わるのだが、エキゾーストノートも派手になる。回転域を上げていったときばかりか、アクセルを戻したときのパンパンッという音はじつにいい。まるでレーシングカーを操っているようだ。

というように、背が高くなってもミニはミニだし、JCWはその本質を変えない。その意味じゃファンならずとも期待していい一台だと思う。

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九島 辰也
筆者九島 辰也

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX」副編集長、「アメリカンSUV」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON」副編集長なども経験。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。記事一覧を見る

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