MINI 新型 ミニクロスオーバー・ミニペースマン「ディーゼル」試乗レポート/藤島知子(3/4)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:阿部昌也
ハイパワー版ディーゼル「MINI Cooper SD Crossover」に乗ってみる
では、ディーゼル・エンジンの実際のフィーリングはどうなのか?
最初は「MINI Cooper SD Crossover(ミニ クーパー エスディー クロスオーバー)」に試乗してみる。
スタートスイッチを押すと、途端にブルンというビートを響かせてくる。その音色はまるでライオンがゴロゴロと喉を鳴らしているかのよう。普通だと、この手の音や振動は不快だとして抑え込もうとする傾向があるが、イケイケのCooper Sがディーゼルに置き換わったことが影響してか、敢えてエンジンを主張する確信犯のように思えてくる。一見すると欠点に思えることさえ、クロスオーバーのワイルドな雰囲気にマッチさせてしまうのだから、MINIというのは不思議なクルマだ。
ターボディーゼルでも「エンジンのBMW」らしい好フィールは健在
BMWが手掛けた2リッターで143馬力のディーゼル・ターボ・エンジンは、走り出すとアクセルペダルの踏み込みに対して、自分自身の予測よりも2割増しで力がみなぎるイメージだ。1700回転を超えた頃からモリモリとトルクが湧き出し、ディーゼルならではのインパクトを与えてくる。組み合わされる6ATのマッチングも絶妙で、ディーゼル特有のもたつき感を感じさせず、吹け上がり時も、回転が落ちる時も、ドライバーの意図に沿って心地良い音色と回転フィールをしっかりと伝えてくる。このあたりはエンジンにこだわるBMWらしい作り込みが施されている。
パワーフィールと操縦性のバランスにおいては、ディーゼルだからといって、極端にフロントヘビーな印象はなく、比較的安定方向の動きをみせる。ともあれ、リズミカルに走ればイメージ通りにクルマが姿勢を変えていく感覚が得られるので、MINIらしい走りの楽しさは健在だと感じられるだろう。
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