世界最高峰で安売りが生んだ誤解、親子ワールドチャンピオン誕生の裏で事件が(1/2)

  • 筆者: 山口 正己
  • カメラマン:メルセデス・ベンツ/フェラーリ
世界最高峰で安売りが生んだ誤解、親子ワールドチャンピオン誕生の裏で事件が
F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP 画像ギャラリーはこちら

史上2組目の親子でF1ワールドチャンピオン

F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP

2016F1GPが終わった。21戦で闘われた最後のレースは、ヤス・マリーナ・サーキットを夕暮れ時にスタートしたアブダビGP。ポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトンが終始リードして優勝したが、ニコ・ロズベルグが2位に入って2016ワールドチャンピオンを決めた。父ケケ・ロスベルグとのチャンピオンは、グラハム/デイモン・ヒルに続く史上二組目の親子ワールドチャンピオンの偉業になった。

そのレースの終盤のルイス・ハミルトンの“動き”が話題になっている。

最終戦でポイントリーダーのロズベルグとハミルトンの差は12点。ハミルトンが逆転するには、優勝してロズベルグが4位以下という厳しい条件の中で、ハミルトンはレースをリードして終盤を迎えたが、ロズベルグは2位。このままいけばレースで優勝しても年間チャンピオンへ逆転はできない。しかし、ハミルトンはあきらめなかった。残り15周辺りから、ペースをコントロールし始めた。チームから、「ペースを上げろ」の指示が出たが無視。ハミルトンは自分のペースでレースを制御し続けた。タイヤ交換を終盤まで引っ張ってペースが速いフェラーリとレッドブルがロズベルグの後ろに迫っていた。ハミルトンはペースを落としてロズベルグに3位以下を近づけて、ロズベルグを抜かせようと企んだのだ。

「正々堂々としていない汚い手だ」という意見もあったが、「ワールドチャンピオンを命懸けでも取ろうとして、そんな手もあったのか!」という称賛の意見も多かった。メルセデスにしてみれば、余計なリスクを背負わずに、キレイに最終戦を飾りたかった。だからハミルトンのペースアップを命じたのだが、ハミルトンは無視した。チャンピオンを取るために走っているのだから当然。僅かでも可能性が残っているなら、そこにかけるのが闘う者の使命だ。ハミルトンはそれを全うした。

そもそも、F1GPはドライバー選手権として始まり、いまでもそれがベースに息づいている。

>>F1GP2016最終戦 アブダビGPの様子を写真でみる

2016年F1チャンピオンの答えはニコ・ロズベルグ

F1 GP 2016 最終戦 アブダビGP

以前もお伝えしたフォーミュラカーのタイヤが飛び出している理由も、ドライバーの闘いであることの裏付けだ。タイヤ同士が当たって危険な状況になるのを避けるのはドライバーの仕事。いや、テクノロジーでタイヤ同士の接触を防げる、という意見は正しい。しかし、だとしたら、タイヤをむき出しにしておく意味がない。さっさとカバーして、空力的にも有利になるようにした方がいい。

第一スポンサーのための面積も増える。しかし、フォーミュラカーは、むき出しのタイヤで、接触しないようにギリギリの闘いをドライバーがするところにこそ存在意義がある。どこまで行っても優先されるべきは“人”ということだ。ここがタイヤがカバーされているスポーツカーのWEC(世界耐久選手権)と違うところだ。

2016年のF1のチャンピオンと聞かれれば、答えは「ニコ・ロズベルグ」だ。「メルセデス」ではない。コンストラクター・チャンピオンには違いないが、F1GPのチャンピオンと聞かれたらドライバーの名を挙げるのが普通だ。反対に、WECの2016年チャンピオンは、「ポルシェ」であって、「マーク・ウェバー」ではない。ドライバーの能力も重要だが、順列はメーカーが前。

ところが、“ハミルトン事件”では、状況が違う方向に動く噂が出回っている。メルセデスがハミルトンを“造反”のカドで解雇する、という。これが本当なら世の中狂ってしまったとしか言いようがない。

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