メルセデス・ベンツ SL350/550 試乗レポート/桂伸一(1/2)
- 筆者: 桂 伸一
- カメラマン:オートックワン編集部
11年ぶりに生まれ変わった「スーパー・ライヒト」
ドイツ語で超軽量を意味する「スーパー・ライヒト」とも、軽量スポーツを意味する、「スポルト・ライヒト」とも訳されているSL。メルセデス・ベンツのスポーツカーの代名詞であるSLクラスが11年ぶりに生まれ変わり、第6世代として誕生・上陸した。
ロングノーズ、ショートデッキの基本を踏襲しつつ、さらに流麗なスタイリングに生まれ変わった新型 SL350/550。量産メルセデス・ベンツ初となるフルアルミボディシェルとする(Aピラー部とウインドフレームのみはスチール)工法で文字通り軽量に生まれ変わった。
従来のスチールと比較すると最大で140kgの軽量化と、20%以上向上した捻れ剛性とともに操縦安定性と快適性を高めている。
カンタンに休止・再始動する「モンスターエンジン」
上陸したモデルはV6とV8、2種類の直噴エンジンに、アイドリングストップのECOスタートストップ機能を備えた7速AT、7Gトロニック・プラスを搭載。
レーダー波が前方や側方のクルマや物体を感知して自動ブレーキ制御を行う予防安全、「レーダーセーフティーパッケージ」ほか、最新の安全システムを標準で搭載する、世界で最も優れたロードスターである。
最高出力/最大トルクは、3.5L V6エンジンを搭載したSL350が306ps/37.7kgm。4.7L V8をツインターボ化したSL550は435ps/71.4kgm。
最強はAMGだが、これは以前レポートしたSL63AMGの海外試乗会を参照しほしい。これら標準、モンスターエンジンが交差点の度に呆気ないほどカンタンにエンジン停止し即効で再始動する。その感覚が身に付くと、「休止」しない他のエンジンに罪悪感を抱くようになるから“不思議”である。
SL350/550はAMGからすればかなり見劣りするだろうと思う。しかし現実、速度の上限が100km/hと低速な日本の道路環境には、むしろ標準モデルのほうが扱いやすくマッチしている。そう思わせるほどバランス感覚に優れた走行性能の持ち主である。
この記事にコメントする