メルセデス・ベンツ 新型Sクラス「S550 プラグインハイブリッド ロング」試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
メルセデスの伝統を継承する安定した走り
エアマチックサスペンションによる走行安定性はかなり高い。車両重量が2330kgに達するので軽快な印象はないが、後輪をしっかりと接地させて乱れることなく直進させる。タイヤが路面に踏ん張る安心感は、メルセデスベンツの伝統的な特徴でもあるだろう。新型「Cクラス」は機敏に曲がって従来と持ち味が変わったように思えるが、Sクラスは、今までの路線を踏襲しながら性能をさらに向上させた。
乗り心地もSクラスならではだ。路上の細かなデコボコを綿密に吸収して、乗員に伝えにくい。その一方でボディは常に水平に保たれ、走行安定性と両立させている。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)が3165mmに達することも、優れた快適性の秘訣だ。
プラグインハイブリッドからV12ツインターボまで
S550プラグインハイブリッド ロングのJC08モード燃費は13.4km/L。S400ハイブリッドの15.4km/Lには達しないが、高い動力性能を考えれば納得できる。またレクサスLSのハイブリッド、LS600hの11.6km/Lと比較しても優れた数値だ。
価格は1590万円。装備レベルは「S400ハイブリッド エクスクルーシブ」(1307万円)と同等だから、ロングボディ/ターボを装着した高性能エンジン/充電機能などの対価が283万円という計算が成り立つ。「レクサス LS600hL」が1410万2000円という比較を踏まえても割高ではない。LS600hLには4WDが備わるが、衝突の回避を支援する機能の一部はオプション設定になる。
全長が5250mm、全幅が1900mm、最小回転半径が5.7mというサイズは日本で使うには大柄だが、都市部ではこのサイズの輸入車を頻繁に見かける。自宅とオフィスに充電設備を持ち、モーター駆動のみで通勤する前述のドイツの使い方は、日本でも可能だろう。
メルセデスベンツ日本は『S550プラグインハイブリッド ロングでSクラスの選択肢を広げたい』と言う。確かにワイドなバリエーションが築かれた。パワー指向のモデルとしては、今でもV型12気筒 6.0リッターツインターボの「S65 AMG ロング」が用意され、最高出力は630馬力、最大トルクは102kg-m、JC08モード燃費は8.1km/Lで、価格は3200万円だ。エコとエゴ、本音と建て前の使い分け。さすがメルセデスベンツとあって、「大人の世界」が展開されている。
[レポート:渡辺陽一郎/Photo:オートックワン編集部]
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メルセデス・ベンツ 新型Sクラス「S550 PLUG-IN HYBRID long」 主要諸元
全長x全幅x全高:5250x1900x1495mm/ホイールベース:3165mm/駆動方式:後輪駆動(FR)/乗車定員:5名(ファーストクラスパッケージは4名)/車両重量:2330kg/エンジン種類:V型6気筒 DOHC ツインターボチャージャー付 ガソリン 直噴エンジン/総排気量:2996cc/エンジン最高出力:333ps(245kW)/5250-6000rpm/エンジン最大トルク:48.9kg-m(480N・m)/1600-4000rpm/ハイブリッドモジュール 蓄電池種類:リチウムイオンバッテリー/ハイブリッドモジュール 電動機種類:交流同期電動機/ハイブリッドモジュール 定格電圧:396V/ハイブリッドモジュール 出力:115ps(85kW)/ハイブリッドモジュール トルク:35.7kg-m(350N・m)/燃料消費率:13.4km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:(前)245/45R19・(後)275/40R19/車両本体価格:15,900,000円[消費税込み、以下同]
※試乗・撮影車は「AMGライン」(890,000円/全長x全幅x全高:5280x1915x1495mm)他オプション装着車
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