マツダ 4代目「ロードスター」デザイナーインタビュー/マツダ株式会社 デザイン部 チーフデザイナー 中山 雅【DESIGNER’S ROOM】(5/5)

マツダ 4代目「ロードスター」デザイナーインタビュー/マツダ株式会社 デザイン部 チーフデザイナー 中山 雅【DESIGNER’S ROOM】
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右脳でクルマを想うと、それはスポーツカーへと行き着く

マツダ 4代目「ロードスター」デザイナーインタビュー/マツダ株式会社 デザイン部 チーフデザイナー 中山 雅【DESIGNER’S ROOM】

AO:ところで先日、未来のクルマについて考える大学のワークショップに同席したのですが、そこで彼らが描いたクルマは自動運転が基本のカプセル型がメインで、スポーツカーのようなスタイリングは頭にないのか?と思いました。そんな中でスポーツカーのデザインの素晴らしさをアピールするとしたら、どうなりますか。

N:人間は動物なので、左脳で機能性とか安全性とかを考える以前に、速いもの、強いもの、カッコいいものを判断する能力がDNAに宿っていると思うんです。つまり右脳で純粋にクルマを考えれば、スポーツカーに行き着くんじゃないでしょうか。今のクルマ作りは制約が多いですけど、そういう芯の部分は生き続けていくと信じています。

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AO:その一方でクルマ好きの多くは、ロードスターを日本を代表するスポーツカーの1台だと思っています。新型をデザインするに際して、ヨーロッパやアメリカのスポーツカーとは違う、日本らしさを意識した部分はあるのでしょうか。

N:日本のデザインの特徴のひとつは、タメとヌケの絶妙なバランスにあると考えています。魂動デザインもそこを目指しています。西洋の人たちがそのあたりを察して、東洋のスポーツカーの素晴らしさを感じていただければ嬉しいですね。ロードスターは昨年25周年を迎えましたが、新型は25年後も誇れるスポーツカーであってほしいという気持ちで作り上げたつもりです。

初代NA型ロードスターを愛する中山氏があえて取り組んだ「挑戦」

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本文にあるように、中山氏は初代ロードスターのオーナーでもある。つまり新型の造形には、デザイナーという立場だけでなく、ユーザーという立場でも接していたはずだ。インハウスデザイナーとカーマニア、双方の立場を織り交ぜつつデザインに取り組み、ロードスターらしさをしっかり継承しつつ、伝統に縛られない挑戦の気風を盛り込んでいった。開発中止の宣告を受け、CX-5の担当に転身し、それをまとめ上げた直後にプロジェクトが再開したというストーリーは、そんな中山氏を「守るために変えていく」新型に適任だと、神様が判断した結果かもしれない。

[インタビュー&レポート:森口将之]

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

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