マツダ 4代目「ロードスター」デザイナーインタビュー/マツダ株式会社 デザイン部 チーフデザイナー 中山 雅【DESIGNER’S ROOM】(5/5)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:小林岳夫
右脳でクルマを想うと、それはスポーツカーへと行き着く
AO:ところで先日、未来のクルマについて考える大学のワークショップに同席したのですが、そこで彼らが描いたクルマは自動運転が基本のカプセル型がメインで、スポーツカーのようなスタイリングは頭にないのか?と思いました。そんな中でスポーツカーのデザインの素晴らしさをアピールするとしたら、どうなりますか。
N:人間は動物なので、左脳で機能性とか安全性とかを考える以前に、速いもの、強いもの、カッコいいものを判断する能力がDNAに宿っていると思うんです。つまり右脳で純粋にクルマを考えれば、スポーツカーに行き着くんじゃないでしょうか。今のクルマ作りは制約が多いですけど、そういう芯の部分は生き続けていくと信じています。
初代NA型ロードスターを愛する中山氏があえて取り組んだ「挑戦」
本文にあるように、中山氏は初代ロードスターのオーナーでもある。つまり新型の造形には、デザイナーという立場だけでなく、ユーザーという立場でも接していたはずだ。インハウスデザイナーとカーマニア、双方の立場を織り交ぜつつデザインに取り組み、ロードスターらしさをしっかり継承しつつ、伝統に縛られない挑戦の気風を盛り込んでいった。開発中止の宣告を受け、CX-5の担当に転身し、それをまとめ上げた直後にプロジェクトが再開したというストーリーは、そんな中山氏を「守るために変えていく」新型に適任だと、神様が判断した結果かもしれない。
[インタビュー&レポート:森口将之]
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